解答 行政書士試験 平成18年24問
地方自治法
○:5.住民監査請求は地方公共団体の不当な公金支出行為についても請求することができるが、住民訴訟は不当な公金支出行為については提起することができない。
○:5.住民監査請求は地方公共団体の不当な公金支出行為についても請求することができるが、住民訴訟は不当な公金支出行為については提起することができない。
問24
地方自治法に定める住民監査請求および住民訴訟に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)
☓:1.住民監査請求の監査の結果もしくは勧告が出されるまでは、住民訴訟を提起することは許されない。
☓:2.住民監査請求を提起できるのは、当該普通地方公共団体の住民のうち選挙権を有する者に限られる。
☓:3.住民訴訟において、住民は地方公共団体に代位して、損害を与えた職員等に直接損害賠償または不当利得返還請求をなすことができる。
☓:4.住民訴訟においては、執行機関または職員に対する行為の差止めの請求をなすことは認められない。
○:5.住民監査請求は地方公共団体の不当な公金支出行為についても請求することができるが、住民訴訟は不当な公金支出行為については提起することができない。
解説
1.誤り。
住民訴訟は住民監査請求前置(主義)を採るが、住民監査請求をしたのに、監査または勧告が行われるべき期間内(請求があった日から60日以内)になされない場合には、住民訴訟を提起できる(地方自治法第242条の2第2項3号)。
2.誤り。
住民監査請求の主体は「普通地方公共団体の住民」であるため、選挙権を有しない者でも住民訴訟を提起することができる(地方自治法第242条1項)。
3.誤り。
地方自治法第242条の2第1項4号に基づく請求は、以前(平成14年改正前)は本肢のような構造、すなわち住民が地方公共団体に代位して、損害を与えた職員等に直接損害賠償請求又は不当利得返還請求をなすことが認められていたが、現在は地方公共団体の職員等に損害賠償、不当利得返還の請求することを求めるにとどまる。
4.誤り。
住民訴訟は、次の4つの類型が法定されている(地方自治法第242条の2第1項)。
(1)「差止めの請求」
(2)「取消し又は無効確認の請求」
(3)「怠る事実の違法確認の請求」
(4)「相手方に損害賠償又は不当利得返還の請求をすることを求める請求」
したがって、執行機関または職員に対する行為の全部または一部の差止請求をすることは(1)に該当し、認められている。
5.正しい。
住民訴訟の対象となるのは、「違法な行為または怠る事実」であり、住民監査請求で認められている「不当な行為または怠る事実」は対象になってない(地方自治法第242条の2第1項)。
これは、住民訴訟でその判断をするのは、司法機関たる裁判所であることから、その審理対象は「違法性(適法性)」となるが、住民監査請求でその判断をするのは行政機関たる監査委員であり、行政内部の自己統制的な仕組みであるから、「不当性(妥当性)」もその対象となっているものである。
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