行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成18年38問

商法 会社法

○:2.株主総会において議決権を行使する代理人を株主に限る旨の定款の規定は、株主総会が第三者により撹乱されることを防止して、会社の利益を保護する趣旨にでた合理的理由による相当程度の制限であって、有効である。


問38

株主総会に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当でないものはどれか。

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

☓:1.招集権者による株主総会の招集の手続を欠く場合であっても、株主全員がその開催に同意して出席したいわゆる全員出席総会において、株主総会の権限に属する事項について決議をしたときには、この決議は株主総会の決議として有効に成立する。

○:2.株主総会において議決権を行使する代理人を株主に限る旨の定款の規定は、株主総会が第三者により撹乱されることを防止して、会社の利益を保護する趣旨にでた合理的理由による相当程度の制限であって、有効である。

☓:3.株主は、自己に対する株主総会の招集手続に瑕疵がなくとも、他の株主に対する招集手続に瑕疵がある場合には、株主総会の決議取消しの訴えを提起することができる。

☓:4.株主総会の決議取消しの訴えを提起した場合においては、その提訴期間が経過した後であっても、新たな取消事由を追加して主張することができる。

☓:5.株主総会の決議の内容自体に法令または定款違背の瑕疵がなく、単に決議の動機または目的において公序良俗に反する不法がある場合は、その株主総会の決議は無効とならない。

解説

1.妥当である。
「招集権者による株主総会の招集の手続を欠く場合であっても、株主全員がその開催に同意して出席したいわゆる全員出席総会において、株主総会の権限に属する事項につき決議をしたときには、右決議は有効に成立する」(最判昭和60年12月20日)
2.妥当である。
「代理人は株主に限る旨の定款の規定は、株主総会が、株主以外の第三者によって攪乱されることを防止し、会社の利益を保護する趣旨に出たものとし認められ、合理的理由による相当程度の制限ということができるから有効である」(最判昭和43年11月1日)
3.妥当である。
「株主は自己に対する株主総会招集手続に瑕疵がなくとも、他の株主に対する招集手続に瑕疵がある場合には、決議取消しの訴えを提起し得る」(最判昭和42年9月28日)。
4.妥当でない。
総会決議取消しの訴えを提起した後、会社法831条1項(旧商法248条1項)所定の期間経過後に新たな取消事由を追加主張することは許されない(最判昭和51年12月24日)。
5.妥当である。
「株主総会の決議の内容自体に何ら法令または定款違反の瑕疵がなく、単に決議をなす動機・目的に公序良俗違反の不法があるにとどまる場合は、決議は無効とならない」(最判昭和35年1月12日)


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