行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成18年39問

商法 会社法

○:5.ウ・エ


問39 会社の合併に関する次のア~オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア、会社が合併するには、各当事会社の株主総会の特別決議による承認を要するが、存続会社に比べて消滅会社の規模が著しく小さい場合には、各当事会社は株主総会決議を省略することができる。
イ、合併の各当事会社は、会社債権者に対して、合併に異議があれば一定の期間内に述べるように官報に公告し、かつ電子公告をした場合であっても、知れたる債権者には個別催告する必要がある。
ウ、合併決議前に反対の意思表示をし、かつ合併承認決議に反対した株主は、合併承認決議が成立した場合には、株式買取請求権を行使することができる。
エ、会社の合併が違法である場合に、各当事会社の株主等若しくは社員等または、破産管財人若しくは合併を承認しなかった債権者は、その無効を合併無効の訴えによってのみ主張することができ、合併無効の判決が確定した場合には、将来に向かってその合併は無効となる。
オ、会社の合併により、消滅会社の全財産が包括的に存続会社に移転するため、財産の一部を除外することは許されないが、消滅会社の債務については、消滅会社の債権者の承諾が得られれば、存続会社は消滅会社の債務を引き継がないとすることも可能である。

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

☓:1.ア・エ

☓:2.ア・オ

☓:3.イ・ウ

☓:4.イ・エ

○:5.ウ・エ

解説

ア.誤り。
会社が合併をするには、各当事会社は株主総会の特別決議による承認を要するが(会社法第783条、795条、309条2項12号、同条3項2号)、存続会社に比べて消滅会社の規模が著しく小さい(交付する株式その他の対価の額の存続会社等の純資産額に対する割合が20%を超えない)場合に、株主総会決議を省略することができるのは存続会社のみであり、消滅会社は株主総会の特別決議による承認を要する(会社法796条3項)。
なお、当該合併は、簡易合併と呼ばれるもので、存続会社の株主に与える影響が少ないことから、株主総会決議の省略を認めたものである。
イ.誤り。
合併の各当事会社は、会社債権者に対して、合併に異議のある場合は一定の期間内に異議を述べることができる旨等を公告し、また、知れたる債権者には各別に催告しなければならない(会社法789条2項、799条2項)。
しかし、官報の公告のほか、定款で電子公告等を定めている場合において、官報の公告に加えて電子公告等をすれば、知れたる債権者には各別に催告をする必要は無い(会社法789条3項、799条3項)
ウ.正しい。
反対株主は、消滅株式会社等に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる(会社法第785条1項、797条1項)。
また、ここに言う反対株主には、株主総会に先立って合併に反対する旨を当該消滅株式会社等に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該吸収合併等に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)が含まれる(会社法785条2項1号イ、797条2項1号イ )。
エ.正しい。
会社の合併の無効は、会社の合併の効力が生じた日から六箇月以内に合併無効の訴えをもってのみ主張することができる(会社法第828条1項7号・8号)。
また、提起できるものは当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収合併後存続する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者である(会社法第828条2項7号・8号)。
そして、合併無効の判決が確定した場合には、将来に向かってその合併は無効となる(会社法第839条)。
オ.誤り。
合併により存続会社または新設会社は消滅会社の権利義務を包括的に承継するため(会社法750条1項、752条1項、754条1項、756条1項)、たとえ債権者の承諾が得られても消滅会社の債務を引き継がないとすることはできない。


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