行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成18年50問

一般知識

○:3.WTO(世界貿易機関)は、加盟国間の貿易交渉に加えて、貿易をめぐる紛争処理や、各国の貿易政策の審査といった役割を担う機関である。


問50 貿易の自由化に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

☓:1.GATTケネディラウンドでは、関税の一括引下げ方式が提案されたが、引下げ対象品目について合意には達せず、その採用には至らなかった。

☓:2.GATTウルグアイラウンドでは、交渉対象が農業分野にまで拡大されたが、サービス分野や知的財産権については、交渉対象として取り上げられるまでに至らなかった。

○:3.WTO(世界貿易機関)は、加盟国間の貿易交渉に加えて、貿易をめぐる紛争処理や、各国の貿易政策の審査といった役割を担う機関である。

☓:4.WTO(世界貿易機関)は、貿易について二国間主義を掲げており、関税同盟などの地域経済統合についても認める立場をとっている。

☓:5.日本は、これまでアジアのどの国・地域に対してもセーフガード(緊急輸入制限)を発動したことはない。

解説

GATTとは?
GATT(関税および貿易に関する一般協定)とは、自由貿易の推進、世界貿易の拡大を目指す国際協定である。
戦後の国際経済体制を支える重要な柱の一つとして1948年1月に発足し、全8回の大規模関税交渉が行われる中で、加盟国間の関税率は大幅に引き下げられる等の成果を残し、95年1月に発足したWTO(世界貿易機関)に引き継がれることになった。
回数年開催地又は通称備考
第1回1948年ジュネーヴジュネーヴで23ヶ国により貿易交渉協議が行われた。
第2回1949年アヌシー
第3回1951年トーキー
第4回1956年ジュネーヴ
第5回1960年-
1961年ディロンラウンド通称が付けられた初めての多角的貿易交渉である(交渉を提唱したアメリカの政治家の名前が由来)。
本ラウンドでは、26ヶ国・地域が参加して、工業製品の関税引き下げなどが合意された。
第6回1964年-
1967年ケネディラウンド平均約35%の関税引き下げ、約3万品目についての新たな関税譲許などが合意されて、これまで6回の交渉の中で最大の成果を挙げた。
また、ダンピング防止協定、化学品協定が策定された。
第7回1973年-
1979年東京ラウンドGATTで初めて本格的に非関税措置の軽減に取り組み、その軽減・撤廃に向けて大きな成果をあげた。
第8回1986年-
1995年ウルグアイラウンドサービス貿易や知的所有権の扱い方、農産物の自由化などについて交渉が行われたが、農業分野交渉は難航し、将来的に全ての農産物を関税化に移行させることにとどまり、完全な自由化には至らなかった。
また、当該ラウンドの結果、GATTを拡大発展させる新たな貿易ルールとして「WTO協定」が作られた。
1.妥当でない。
GATTケネディラウンドでは、それまでの国別品目別方式の関税交渉ではなく、関税の一括引下げ方式が交渉され、それが採用されることになり、大幅な関税引き下げが実現された。
2.妥当でない。
GATTウルグアイラウンドでは、農業分野だけではなくサービスや知的財産についても交渉が行われ、その原則が確立された。
3.妥当である。
WTO(世界貿易機関)は、GATTウルグアイラウンドにおける合意によって、世界貿易機関を設立するマラケシュ協定(WTO設立協定)に基づいて自由貿易促進を主たる目的として1995年1月1日にGATTを発展解消させて創立された国際機関である。
WTOは、加盟国間の貿易交渉に加えて、加盟国から紛争解決の申立てがあると、パネル(小委員会)を設置し、紛争内容を審査するなど貿易をめぐる紛争処理機能を有し、また、貿易政策審査制度を設けており、各国の貿易政策の審査といった役割を担っている。
4.妥当でない。
WTOは多国間の貿易自由化の流れを担うもので、自由、無差別、多角的通商体制を基本としており、二国間主義を掲げていない。ただし、関税同盟や地域経済統合については、例外として一定の条件を満たせば許容している。
5.妥当でない。
セーフガードとはGATTの特例に基づく緊急輸入制限措置のことで特定の輸入品が急増し、自国の競合産業に重大な被害を及ぼすか、又はその恐れのある場合に当該輸入品に対して輸入の禁止、若しくは制限を行うことのできる緊急措置のことをいう。
日本は2001年4月に中国からの輸入農産物急増をうけて、「ねぎ」「生しいたけ」「畳表(いぐさ)」の3品目に対して、初めてのセーフガードを発動している。


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