行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成19年23問

地方自治法

○:5.議会の議長および議員は、自己の一身上に関する事件または自己の従事する業務に直接関係のある事件については、原則として、その議事に参与することができない。


問23

普通地方公共団体の議会に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

☓:1.予算を定めることは議会の議決事件とされているが、議会は、予算について増額して議決することはできない。

☓:2.議会の議決がその権限を超え、または法令もしくは会議規則に違反すると認めるとき、長は、高等裁判所に当該議決の取消しを求めて出訴しなければならない。

☓:3.議会の解散は、議会が長の不信任の議決を行ったとき、または住民から解散請求がなされたときにありうるが、議会が自らの議決に基づき自主解散することはできない。

☓:4.私法上の一契約の締結は、非権力的行為であるので、普通地方公共団体の契約締結は議会の議決事件には属さない。

○:5.議会の議長および議員は、自己の一身上に関する事件または自己の従事する業務に直接関係のある事件については、原則として、その議事に参与することができない。

解説

1.誤り。
予算を定めることは、議会の議決事件である(地方自治法第96条1項2号)。
また、議会は、予算について、増額してこれを議決することを妨げない(地方自治法第97条2項本文)。
したがって、議会は、増額の修正の議決をすることもできる。
なお、増額修正の議決はできるが、予算の提出の権限は長にあるので、その権限を侵さない範囲でしかできない(地方自治法第97条2項ただし書き)。
2.誤り。
普通地方公共団体の議会の議決がその権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるときは、当該普通地方公共団体の長は、理由を示して再議に付さなければならない(地方自治法第176条4項)。
また、再議に付してもなおそれが是正されないときは、都道府県知事にあっては総務大臣、市町村長にあっては都道府県知事に対し、審査を申し立てることができ(同条5項)、その裁定に不服があるときは裁判所に出訴することができる(同条7項)。
そして、この場合に出訴する裁判所は、特に指定はないため、地方裁判所となる(裁判所法第24条1号)。
したがって、「長は、高等裁判所に当該議決の取消しを求めて出訴しなければならない。」としている点は、誤りである。
3.誤り。
普通地方公共団体の議会の解散には、【1】直接請求による解散、【2】議会の不信任の議決による解散、【3】「地方公共団体の議会の解散に関する特例法」による議会自らの解散の3種類がある。
したがって、議会が自らの議決に基づき自主解散することはできる。
なお、地方公共団体の議会の解散に関する特例法第2条は、地方公共団体の議会の解散の議決には、議員数の4分の3以上の者が出席し、その5分の4以上の者の同意が必要であり、その議決があった時に議会は解散するとしている。
4.誤り。
私法上の契約の締結に関しても、その種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める契約の締結については、普通地方公共団体の議会は議決しなければならない(地方自治法第96条1項5号など)。
5.正しい。
普通地方公共団体の議会の議長及び議員は、自己若しくは父母、祖父母、配偶者、子、孫若しくは兄弟姉妹の一身上に関する事件又は自己若しくはこれらの者の従事する業務に直接の利害関係のある事件については、その議事に参与することができない(地方自治法第117条本文)。ただし、議会の同意があったときは、会議に出席し、発言することができる(同条ただし書き)。


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