行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成19年41問

憲法


問41 次の文章は、ある最高裁判所判決の一節である。空欄[ ア ]~[ エ ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。

「公職選挙法の制定又はその改正により具体的に決定された選挙区割と議員定数の配分の下における選挙人の投票の有する[ア:価値]に不平等が存し、あるいはその後の[イ:人口]の異動により右のような不平等が生じ、それが国会において通常考慮し得る諸般の要素をしんしやくしてもなお、一般に[ウ:合理]性を有するものとは考えられない程度に達しているときは、右のような不平等は、もはや国会の[ウ:合理]的裁量の限界を超えているものと推定され、これを正当化すべき特別の理由が示されない限り、憲法違反と判断されざるを得ないものというべきである。 もつとも、制定又は改正の当時合憲であつた議員定数配分規定の下における選挙区間の議員一人当たりの選挙人数又は[イ:人口](この両者はおおむね比例するものとみて妨げない。)の較差がその後の[イ:人口]の異動によって拡大し、憲法の選挙権の平等の要求に反する程度に至つた場合には、そのことによって直ちに当該議員定数配分規定が憲法に違反するとすべきものではなく、憲法上要求される[ウ:合理]的[エ:期間]内の是正が行われないとき初めて右規定が憲法に違反するものというべきである。」

1、羈束 ,2、数量 ,3、地域 ,4、人事 ,5、権力 ,6、価値 ,7、人工 ,8、結果 ,9、票決 ,10、厳格 ,11、期間 ,12、効果 ,13、機関 ,14、囲繞 ,15、合理 ,16、関連 ,17、人口 ,18、明確 ,19、要件 ,20、秩序

解説

ア:6(価値)
多くの議員定数訴訟の争点はいわゆる1票の格差問題であるが、これは、形式的に1人1票の原則が貫かれていても、選挙対象の区域ごとの人口数によってその価値に差が生じ、価値が高い者は、実質的に複数票を有するのと同じ状態となってしまうため、これが投票価値の不平等として問題視されるというものである。
そして、本判決もこのことが争点の中心になっているものであり、空欄[ア]の前後に「投票の有する」「不平等」という言葉があるため、空欄[ア]には「価値」が入ることが分かる。
イ:17(人口)
1票の格差問題では、選挙区間の議員一人当たりの人口が多ければ1票の価値は低くなり、逆に少なければ1票の価値は低くなる(基本的に人口の多い都市圏では、1票の価値が低い傾向にある)。
そのため、仮に1度同じ価値にしたとしても、その後の人口の異動によって価値の違いが生じることになる。
そして、本問の1つ目と3つ目の空欄[イ]の前後には「その後の」「異動」という言葉があるため、空欄[イ]には「人口」が入ることが分かる。
ウ:15(合理) エ:11(期間)
本問の抜粋部分は、いわゆる合理的期間論を述べたものであるが、この考え方を簡潔に言うと、一票の格差が一般に合理性を有するものとは考えられない程度に達し(=不平等状態)、それが合理的期間内に是正されないときに初めて違憲という判断がなされるというものである。
そして、本問の最後の2行は、まさにこのことの核心にあたることが書かれているため、空欄[ウ]には「合理」、空欄[エ]には「期間」が入ることが分かる。


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