行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成19年47問

一般知識

○:1.ア・イ


問47 議院内閣制に関する次のア~エの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。

ア、議院内閣制を採用している国では議会が内閣創出の基盤となるので、一般に、内閣の活動を支持する与党と内閣に反対の立場をとる野党との区別が重要になり、各政党議員の国会活動は議院内で形成される会派を中心として行われる。
イ、議院内閣制の母国とされるイギリスには成文の憲法典が存在せず、議院内閣制も憲法習律といわれる一種の慣行として成立しており、内閣を構成する閣僚についても全員が議員でなければならないという習律が確立している。
ウ、イギリスの議院内閣制における議会は「政府対野党」の論戦の場であるから、議事を主宰する議長の中立性が重んじられ、議院運営委員会による議事運営と各派交渉会の協議が重要な役割を果たしている。
エ、日本の国会では、国会審議の活性化を図るために、イギリス議会にならって首相と野党の党首が論戦を展開する党首討論の制度を導入することとし、衆参両院合同の特別委員会である国家基本政策委員会で行う方式をとっている。

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

○:1.ア・イ

☓:2.ア・ウ

☓:3.ア・エ

☓:4.イ・ウ

☓:5.ウ・エ

解説

ア.妥当である。
議員内閣制を採用している日本を例にすると、
≪国会の指名で内閣総理大臣が任命≫  ⇒ ≪内閣総理大臣が国務大臣を任命≫
という流れで、内閣が創出されるため、その創出の基盤は議会(国会)にある。
そのため、政局(政治動向)を見定めるには、内閣の活動を支持する与党と内閣に反対の立場をとる野党との区別が重要になる。
また、各政党議員の国会活動は議院内で形成される会派を中心として行われる。
なお、会派とは、議院内で主義・主張を同じくする議員が、活動を共にしようとする議員のグループ(2人以上)のことで、一般には、同じ政党に所属する議員で構成されるが、政党に所属していない議員同士で会派を組んだり、複数の政党で一つの会派を構成したりすることもある。
イ.妥当である。
議院内閣制は、18世紀にイギリスで誕生したことから、同国は議院内閣制の母国と呼ばれる。
もっとも、イギリスには成文の憲法典が存在しないため、議院内閣制も憲法習律といわれる一種の慣行として成立しているにすぎない。
また、内閣を構成する閣僚については、日本とは異なり、全員が議員でなければならないという習律が確立している。
ウ.妥当でない。
日本では委員会中心主義を採用しているため、議院運営委員会による議事運営が重要な役割を果たしている(各派交渉会は、地方議会にあるのみで、現在の国会には存在しない)。
しかし、イギリス議会は、本会議中心主義を採用しているため、議院運営委員会による議事運営と各派交渉会の協議が重要な役割を果たしているとはいえない。
エ.妥当でない。
首相と野党の党首が論戦を展開する党首討論は、イギリス議会におけるクエスチョンタイムをモデルにして、1999年に導入されたが、党首討論が行われる国家基本政策委員会は、特別委員ではなく衆議院・参議院それぞれに、常任委員会として設置されている。


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