解答 行政書士試験 平成19年50問
一般知識
○:4.四つ
○:4.四つ
問50 日本の地方交付税制度に関する次のア~オの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
ア、地方交付税は国税5税の一定割合を原資としており、その税目は所得税・法人税・消費税・酒税・たばこ税の五つである。
イ、地方交付税総額のうち、特別な事情に応じて交付される特別交付税の占める割合は、その年の自然災害や景気動向によって決定されることとなっている。
ウ、少子高齢化を背景とした自治体の役割の増大により、国から地方へ交付される地方交付税の総額は、2000年以降増加する傾向にあり、2000年比でほぼ倍化している。
エ、普通交付税はその総額を人口と面積によって国から自治体に配分する仕組みとなっており、都道府県では、人口の多い東京都や面積の広い北海道で、交付額が多くなっている。
オ、三位一体の改革を通じて、国が自治体に支出する義務教育費国庫負担金の制度は廃止され、自治体は地方税や地方交付税などの一般財源によって、義務教育経費を賄うこととなった。
選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)
☓:1.一つ
☓:2.二つ
☓:3.三つ
○:4.四つ
☓:5.五つ
解説
ア.正しい。
地方交付税とは、各地方自治体の財源の偏在を調整するために国が配分する財政制度で、その原資は、国税5税ごとに定められた法定割合の合計額、すなわち所得税の32%、酒税の32%、法人税の34%、消費税の29.5%、たばこ税の25%の合計額となっている。
イ.誤り。
特別交付税の総額は、地方交付税の総額の6%とされており、自然災害や景気動向によって決定されるものではない(地方交付税法第6条の2第3項)。
なお、特別交付税とは、普通交付税で措置されない個別、緊急の財政需要(例えば、地震、台風等の自然災害による被害など)による財源不足額を考慮して交付されるものである(地方交付税法第15条等)。
ウ.誤り。
小泉政権下(2001~2006年)では、国と地方公共団体に関する行財政システムに関する改革として、三位一体の改革が行われ、すなわち(1)国庫補助負担金の廃止・縮減、(2)税財源の移譲、(3)地方交付税の一体的な見直しがなされた。
これにより、国から地方に約3兆円の税が移譲されるとともに、約5.1兆円の地方交付税改革が行われた。
そのため、地方交付税の総額は、2000年(21.4兆円)から2007年(15.2兆円)までは減少傾向にあり、近年はやや増加しているものの2000年の水準よりは低いところで推移しており、倍化はしてない(2013年で17.1兆円)。
エ.誤り。
地方交付税は、各地方自治体の財源の偏在を調整するための制度であって、交付額は人口と面積によって、左右されるものではなく、原則として基準財政需要額が基準財政収入額をこえる額、すなわち財源の不足額である(地方交付税法第10条)。
なお、都道府県では、東京都が継続して不交付団体となっている(2013年度現在)。
オ.誤り。
三位一体の改革(肢ウ参照)において、義務教育費国庫負担金制度の見直しがなされたが、国庫負担の割合は2分の1から3分の1と縮小されただけで、廃止されたわけではない。
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