解答 行政書士試験 平成19年52問
一般知識
○:2.ア・ウ
○:2.ア・ウ
問52 危機管理に関する次のア~エの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。
ア、阪神・淡路大震災を機に国の危機管理体制の整備が急がれ、国の行政システムの再編を課題とした行政改革会議の提言をうけて、危機管理の問題を統理する内閣危機管理監が内閣官房に設置された。
イ、緊急事態に対処するための危機管理と、緊急事態の発生を防止するリスク管理とは明確に区分されており、危機管理のための行政機構が担当するのは、緊急事態が現実に発生したときの例外的な緊急措置に限定される。
ウ、国民の生命・身体・財産に重大な被害が生じるような緊急事態に対処することは国の責務であるが、都道府県や市町村でも危機管理指針、危機管理マニュアル等を策定し、組織体制の整備を行っている。
エ、国民保護法(武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律)をはじめとする有事法制の整備に伴い、国の危機管理は、内閣官房に置かれた内閣危機管理センターを中核とする組織体制に改められ、関係機関との連絡調整を緊密化することになった。
選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)
☓:1.ア・イ
○:2.ア・ウ
☓:3.ア・エ
☓:4.イ・ウ
☓:5.イ・エ
解説
ア.妥当である。
1995年の阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件を背景に国の危機管理体制の整備の要求が高まり、1998年に内閣法で内閣官房に内閣危機管理監を1人置く事が規定された(内閣法第15条1項)。
イ.妥当でない。
内閣危機管理監は、内閣官房長官及び内閣官房副長官を助け、命を受けて内閣官房の事務のうち危機管理(国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生じ、又は生じるおそれがある緊急の事態への対処及び当該事態の発生の防止をいう。)に関するもの(国の防衛に関するものを除く。)を統理することを職務とする(内閣法第15条2項)。
したがって、危機管理のために行政機構が担当するのは(=内閣危機管理監が担当するのは)、緊急事態が現実に発生したときの例外的な緊急措置に限定されるわけではない。
ウ.妥当である。
一定の緊急事態に対処することは国の責務であるが、都道府県や市町村でも危機管理指針、危機管理マニュアル等を策定し、組織体制の整備を行っている。
なお、国民保護法第3条2項では、「地方公共団体は、国があらかじめ定める国民の保護のための措置の実施に関する基本的な方針に基づき、武力攻撃事態等においては、自ら国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施し、及び当該地方公共団体の区域において関係機関が実施する国民の保護のための措置を総合的に推進する責務を有する。」としている。
エ.妥当でない。
内閣危機管理センターとは、大規模災害等、不測の緊急事態が発生した場合の初動対処の中心となるところで内閣総理大臣官邸に置かれている。
したがって、内閣官房には置かれていない。
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