行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成19年53問

一般知識

○:5.この法律は、認定個人情報保護団体という制度を用意して、苦情処理などを事業者団体が処理することを期待している。


問53

「個人情報の保護に関する法律」に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

☓:1.この法律は、個人情報データベースという言葉を用いていることからも明かなように、電子計算機処理された個人情報のみを規律の対象としている。

☓:2.この法律は、中小規模の事業者に配慮して、一定の数を超える従業者を有する事業者のみを規律の対象としている。

☓:3.この法律は、情報通信、金融などの分野に適用されることはなく、これらの分野では従来どおりガイドラインによる規制が行われている。

☓:4.この法律は、個人情報取扱事業者の従業者が保有個人データを自己もしくは第三者の不正な利益を図る目的で盗用した場合について、懲役刑または罰金刑で臨んでいる。

○:5.この法律は、認定個人情報保護団体という制度を用意して、苦情処理などを事業者団体が処理することを期待している。

解説

1.妥当でない。
個人情報保護法でいう「個人情報データベース等」には、電子計算機処理された個人情報以外でも目次、索引その他検索を容易にするものがついた体系的に構成した情報の個人情報の集合物も含まれる(個人情報保護法第2条2項、同法施行令1条)。
したがって、「電子計算機処理された個人情報のみを規律の対象としている。」というのは誤りである。
2.妥当でない。
個人情報取り扱い事業者として除外される者には、「保有する個人情報の合計が過去6月間に5000を超えない者」(個人情報保護法第2条3項5号、同法施行令2条)というのがあるので、中小規模事業者に一定の配慮はされているが、従業者の数の大小によって除外の判断がされるわけではない。 したがって、「一定の数を超える従業者を有する事業者のみを規律の対象としている。」というのは誤りである。
3.妥当でない。
個人情報取扱事業者において事業等の分野別で適用除外されるのは「報道機関」、「著述業」、「大学等の学術研究機関」、「宗教団体」、「政治団体」の5つで、情報通信分野、金融分野については、個人情報保護法の適用がある(個人情報保護法第50条)。
もっとも、これらの分野は、より厳格な個人情報保護の実施が求められるため、それらを要求したガイドラインの作成がされている。
4.妥当でない。
個人情報取扱事業者において従業者が個人情報を盗用した場合の罰則については、いわゆる個人情報漏洩罪として、個人情報保護法改正議論の一つとして国会で取り上げられていたものであるが、改正には至っていない。
個人情報保護法では、個人の秘密に関する情報の漏洩をしたからといって、直ちに刑事罰の対象にはならず、その事実に基づいて主務大臣が出した命令に違反したり、報告をしなかったりした場合に初めて懲役刑又は罰金刑に処せられる(個人情報保護法第56条以下)。
5.妥当である。
認定個人情報保護団体とは、個人情報取扱事業者の個人情報の適正な取扱いの確保を目的として苦情の処理や情報提供等の業務を行う団体で、個人情報保護法第37条以下では認定個人情報保護団体に関する規定を設けており、これによって個人情報取扱事業者の個人情報の適正な取扱いの確保が推進されることを期待している。


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