行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成20年40問

商法商行為

○:5.匿名組合契約が終了したときは、営業者は、匿名組合員に対してその出資の価額を返還しなければならず、出資が損失によって減少した場合には、営業者は、その減少額をてん補して匿名組合員に出資の価額を返還する義務を負う。


問40

匿名組合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

☓:1.匿名組合員は、信用や労務を出資の目的とすることはできず、金銭その他の財産のみをその出資の目的とすることができる。

☓:2.匿名組合員による出資は、組合の財産を形成することはなく、営業者の財産に属する。

☓:3.匿名組合員は、営業者の行為について、第三者に対して権利および義務を有しないが、匿名組合員が自己の商号などを営業者の商号として使用することを許諾したときには、その使用以後に生じた債務について、営業者と連帯してこれを弁済する責任を負う。

☓:4.匿名組合員は、営業者の業務を執行し、または営業者を代表することができない。

○:5.匿名組合契約が終了したときは、営業者は、匿名組合員に対してその出資の価額を返還しなければならず、出資が損失によって減少した場合には、営業者は、その減少額をてん補して匿名組合員に出資の価額を返還する義務を負う。

解説

1.正しい。
匿名組合員は、金銭その他の財産のみをその出資の目的とすることができる(商法第536条2項)。
2.正しい。
匿名組合員の出資は、営業者の財産に属する(商法第536条1項)。
なお、民法上の組合契約においては、出資その他の組合財産は、総組合員の共有(物権上の共有と性質が異なるため「合有」とも呼ばれる)に属するという違いがある点も注意されたい(民法第668条)。
3.正しい。
匿名組合員は、営業者の行為について、第三者に対して権利及び義務を有しない(商法第536条4項)。
しかし、自己の氏若しくは氏名を営業者の商号中に用いること又は自己の商号を営業者の商号として使用することを許諾したときは、その使用以後に生じた債務については、営業者と連帯してこれを弁済する責任を負う(商法第537条)。
4.正しい。
匿名組合契約は、当事者の一方が相手方の営業のために出資をし、その営業から生ずる利益を分配することを約することによって、その効力を生ずるものであり(商法第535条)、団体性のある組織ではないため、匿名組合員が、営業者の業務を執行し、又は営業者を代表することはできない(商法第536条3項)。
5.誤り。
匿名組合契約が終了したときは、営業者は、匿名組合員にその出資の価額を返還しなければならない。ただし、出資が損失によって減少したときは、その残額を返還すれば足りる(商法第542条)。
したがって、匿名組合契約が終了した場合に、出資が損失によって減少していても、営業者は、その減少額をてん補して匿名組合員に出資の価額を返還する義務を負うわけではない。


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