行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成20年41問

憲法


問41 次の文章は、宗教法人Xへの解散命令の合憲性に関して、Xの特別抗告に対して下された最高裁判所決定の一節である。空欄[ア]~[エ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。

「(宗教法人)法81条に規定する宗教法人の解散命令の制度は、前記のように、専ら宗教法人の[ア:世俗的]側面を対象とし、かつ、専ら[ア:世俗的] 目的によるものであって、宗教団体や信者の精神的・[イ:宗教的] 側面に容かいする意図によるものではなく、その制度の目的も合理的であるということができる。そして…(中略)…抗告人が、法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められ、宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたことが明らかである。抗告人の右のような行為に対処するには、抗告人を解散し、その法人格を失わせることが[ウ:必要] かつ適切であり、他方、解散命令によって宗教団体であるXやその信者らが行う宗教上の行為に何らかの支障を生ずることが避けられないとしても、その支障は、解散命令に伴う[エ:間接的] で事実上のものであるにとどまる。したがって、本件解散命令は、宗教団体であるXやその信者らの精神的・[イ:宗教的] 側面に及ぼす影響を考慮しても、抗告人の行為に対処するのに[ウ:必要] でやむを得ない法的規制であるということができる。」 (最一小決平成8年1月30日民集50巻1号199頁以下)

1、直接的 ,2、間接的 ,3、積極的 ,4、消極的 ,5、明白 ,6、具体的 ,7、抽象的 ,8、容易 ,9、中立的 ,10、宗教的 ,11、可能 ,12、政治的 ,13、支配的 ,14、指導的 ,15、必要 ,16、社会的 ,17、裁量的 ,18、手続的 ,19、世俗的 ,20、有効

解説

ア:19(世俗的) イ:10(宗教的)
憲法20条は、信教の自由を保障していることから、宗教法人の解散命令の制度が宗教団体や信者の精神的・宗教的側面に容かいする(口出しする)意図によるものであれば、違憲の疑いが色濃くなるが、宗教法人も社会に属する団体である以上は、世間一般に妥当する団体でなければならないのは当然のことで、すなわち、その制度が宗教法人の世俗的(世間一般に見られるさま)側面を対象とし、かつ、専ら世俗的目的によるものであれば、違憲にはならないことになる。
ウ:15(必要)
「必要かつ適切」「必要でやむを得ない」というフレーズは、判例でよく使用される言回しであり、また、特に迷うような用語もないことから、順に当てはめていけば、「必要」が入ると容易に判断ができるであろう。
エ:2(間接的)
憲法20条は、信教の自由を保障していることから、解散命令によって宗教団体やその信者らが行う宗教上の行為に何らかの支障を生ずる場合、それが直接的に支障与えるためになされたものであれば違憲になりうる。
しかし、それが間接的で事実上のものであるにとどまるのであれば、違憲にはならないことになる。
なお、空欄ウと同様に「間接的(又は反射的)」と「事実上」組み合わせたフレーズは、判例でよく使われる言い回しなので、確実に正解したいところである。


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