行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成20年43問

地方自治法


問43 国と地方公共団体の関係に関する次の文章の空欄[ア]~[エ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。

国と各地方公共団体は、それぞれ独自の団体であるから、それぞれの権限を独立して行使するのが原則である。しかし、広域的な行政執行等の観点から、国が都道府県の活動に、国や都道府県が市町村の活動に影響力を行使する必要がある場合もある。こうした影響力の行使について、地方自治法245条は、[ア:関与]と総称しており、同条の2は、法律や政令によって認められた場合にのみ、これをなしうることとしている。国と都道府県の関係について言えば、所管の各大臣は、都道府県の活動について、通常は、技術的な助言及び[イ:勧告]をなすことができるにとどまるが、その活動が違法である場合等には、自治事務については、その是正を求めることができ、法定受託事務については、その是正を指示した上で、それに従わなければ、裁判を経て、[ウ:代執行]等をすることができる。そのほか、同法255条の2によって、都道府県知事等の処分が法定受託事務に該当するときは、これに不服のある者は、所管の大臣に不服申立てができるものとされている。一般に、これを[エ:裁定]的[ア:関与]と呼んでいるが、地方分権の見地から、その是非について議論がある。

1、裁決 ,2、勧告 ,3、協議 ,4、決定 ,5、代執行 ,6、取消し ,7、命令 ,8、指導 ,9、同意 ,10、許可 ,11、関与 ,12、参与 ,13、通達 ,14、協力 ,15、監督 ,16、撤回 ,17、罷免 ,18、指揮 ,19、裁定 ,20、直接強制

解説

ア:11(関与)
国と各地方公共団体は、それぞれ独自の団体であるから、地方自治の本旨に基づき、それぞれの権限を独立して行使するのが原則である。
しかし、広域的な行政執行等の観点から、国が都道府県の活動に、国や都道府県が市町村の活動に影響力を行使する必要がある場合もある。 こうした影響力の行使(例えば、助言、勧告、指示、協議など)について、地方自治法245条は、関与と総称しており、同条の2は、「普通地方公共団体は、その事務の処理に関し、法律又はこれに基づく政令によらなければ、普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与を受け、又は要することとされることはない。」と規定している。
イ:2(勧告) ウ:5(代執行)
国と都道府県の関係では、通常、所管の各大臣は、都道府県の活動について技術的な助言及び勧告をなすことができるにとどまる(地方自治法第245条の4第1項)。
しかし、都道府県の活動が違法である場合等には、自治事務については、その是正を求めることができ(地方自治法第245条の5第1項)、法定受託事務については、その是正を指示した上で(地方自治法第245条の7第1項)、それに従わなければ、裁判を経て、代執行等をすることができる(地方自治法第245条の8)。
エ:19(裁定)
裁定的関与とは、国等が地方自治法等の規定に基づく審査請求や再審査請求の手続を通じて地方公共団体の機関等がした活動について関与することをいう。
裁定的関与では、限定的とはいえ地方自治体の判断を直接に否定することもあり、実質的な監督の手段となる危険があるため、地方分権の見地から、その是非については議論がある。


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