行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成21年22問

地方自治法

○:5.監査委員の監査の対象となる事務には、法定受託事務も含まれている。


問22

地方自治法の定める監査制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

☓:1.戦後、地方自治法が制定された際に、監査委員による監査制度のみならず、外部監査制度についても規定された。

☓:2.普通地方公共団体の事務の執行に関する事務監査請求は、当該普通地方公共団体の住民であれば、1人でも行うことができる。

☓:3.普通地方公共団体の事務の執行に関する事務監査請求は、当該普通地方公共団体の住民であれば、外国人でも行うことができる。

☓:4.監査委員による監査は、長、議会または住民からの請求があったときのみに行われるため、その請求がなければ監査が行われることはない。

○:5.監査委員の監査の対象となる事務には、法定受託事務も含まれている。

解説

1.誤り。
地方公共団体の外部監査制度は、平成9年の地方自治法改正に導入された制度である。
地方公共団体には、適正業務がされているかを監査するために監査委員を設置することになっているが、こうした団体内部からの監査だけでは、馴れ合い的な監査がされることもありえ、必ずしも十分とはいえないため、その組織とは関係のない第三者による外部からも監査させようというのが外部監査制度である。
なお、外部監査制度には、包括的に監査する包括外部監査と、個別の事案ごとに監査する個別外部監査がある。
2.誤り。
監査の請求には、有権者の50分の1の連署を要する事務監査請求(地方自治法第75条以下)と、一人で行うこともできる住民監査請求(地方自治法第242条以下)の2種類がある。
したがって、事務監査請求は、一人で行うことはできない。
3.誤り。
事務監査請求するには、普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有すること(地方自治法第75条1項、74条1項)が必要であり、当該選挙権は、日本国民たる年齢満二十年以上の者で引き続き三箇月以上市町村の区域内に住所を有することが必要である(地方自治法第18条)。
したがって、外国人は行うことができない。
なお、住民監査請求は、その要件が「普通地方公共団体の住民」である為、外国人でも行なうことが可能である。
4.誤り。
監査委員による監査は、長(第199条7項)、住民等(第75条1項、242条1項)、議会(第98条2項)の請求による監査の他、以下の監査などがある。
監査の種類どのようなときにされるか根拠規定(地方自治法)
定期財務監査毎会計年度少なくとも一回以上第199条1項、4項
随時財務監査必要があると認めるときは、いつでも第199条1項、5項
行政監査必要があると認めるとき第199条2項
財政援助団体等監査必要があると認めるとき、又は長の要求があるとき第199条7項
指定金融機関等の監査必要があると認めるとき、又は長の要求があるとき第235条の2、2項、3項
5.正しい。
監査委員は、自治事務にあっては労働委員会及び収用委員会の権限に属する事務で政令で定めるもの、法定受託事務にあっては国の安全を害するおそれがあることその他の事由により監査委員の監査の対象とすることが適当でないものとして政令で定めるものを除き事務の執行の監査ができる(地方自治法199条2項)。
したがって、 法定受託事務も含まれている。


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