行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成21年48問

一般知識

○:2.ア・オ


問48 問題48 行政改革に関する次のア~オの記述のうち、妥当でないものの組合せはどれか。

ア、NPM(New Public Management)は、ケインズ主義を理論的基礎として、1980年代にイギリスのサッチャー政権において採用され、これに基づいて公的部門の見直しが行われた。
イ、エージェンシー制度は、企画立案部門と実施部門を分離し、実施部門に大きな裁量を与えることによって柔軟な組織運営をめざすものであり、日本でもこれをモデルとして独立行政法人制度がつくられた。
ウ、PFI(Private Finance Initiative)は、公共施設等の施設や運営に民間の資金やノウハウを活用する手法であり、日本でもこれを導入する法律が制定され、国や自治体で活用されている。
エ、指定管理者制度は、それまで自治体の直営か外郭団体に限定されていた公共施設の管理運営を、営利企業、NPO法人などの団体にも包括的に代行させる制度であり、地方自治法の改正によって導入された。
オ、市場化テストは、民間企業と行政組織の間でサービスの質や効率性を競う入札を実施し、行政に勝る民間企業があれば、当該業務を民間企業に委託する制度であるが、日本ではまだ導入されていない

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

☓:1.ア・エ

○:2.ア・オ

☓:3.イ・ウ

☓:4.ウ・エ

☓:5.エ・オ

解説

ア.妥当でない。
NPMは、1980年代にイギリスのサッチャー政権において採用され、これに基づいて公的部門の見直しが行われたものではあるが、その内容は行政の運営方法に民間企業経営手法の理念を取り入れるというもので、新自由主義を理論的基礎としたものである。
その具体的な特徴としては、市場メカニズムの活用、競争原理の導入、結果主義の導入などが挙げられる。
なお、ケインズ主義では、市場が円滑に機能し、持続的な経済発展を遂げるには、政府による市場介入等が必要であるとし、政府・行政の役割を拡大させる考えであるため、NPMの理念とは相いれないものである。
イ.妥当である。
エージェンシー制度は、イギリスのサッチャー政権において採用された制度で、企画立案部門と実施部門を分離し、実施部門であるエージェンシーと呼ばれる独立行政機関に大きな裁量を与えることによって柔軟な組織運営をめざすものであり、日本の独立行政法人制度は当該制度をモデルにして作られたものである。
ウ.妥当である。
PFIとは公共サービスの提供に際して公共施設が必要な場合に、民間の資金・能力を活用した施設整備によって、効率的かつ効果的に社会資本整備を行い、国民に対し低廉かつ良好な公共サービス提供を目指すものである。
日本では、1999年(平成11年)にPFI法(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)が施行されており、既にPFIによる刑務所やPFIによる公営病院などが存在している。
なお、当該制度も、元は1992年にイギリスのサッチャー政権において採用された制度である。
エ.妥当である。
指定管理者制度とは、平成15年の地方自治法の改正で導入された制度で、普通地方公共団体が、公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるとき、条例の定めるところにより、法人その他の団体であって当該普通地方公共団体が指定するもの(指定管理者)に、当該公の施設の管理運営を包括的に行わせることができるという制度である(地方自治法第244条の2第3項)。
営利企業、NPO法人などの完全な民間事業者等を指定管理者にすることが認められており、有名なものとしては千葉マリンスタジアムをプロ野球の千葉ロッテマリーンズが指定管理者となっているケースや茨城県立カシマサッカースタジアムをJリーグの鹿島アントラーズが指定管理者となっているケースなどがある。
オ.妥当でない。
市場化テストは民間企業と行政組織の間でサービスの質や価格を競う入札を実施し、行政に勝る民間企業があれば、当該業務を民間企業に委託する制度で、日本では平成18年に市場化テスト法(競争の導入による公共サービスの改革に関する法律)の施行によって導入されている。


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