行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成22年39問

商法会社法

○:4.持分会社の社員は、株式会社の株主とは異なり、退社による持分の払戻しが認められているが、当該社員の責任を明確にするために、登記によって退社の効力が生じる。


問39

持分会社に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

☓:1.持分会社の無限責任社員は、株式会社の株主とは異なり、金銭出資や現物出資にかぎらず、労務出資や信用出資の方法が認められている。

☓:2.持分会社の社員の持分は、株式会社の株式とは異なり、一人一持分であって、細分化されたものではなく、内容が均一化されたものでもない。

☓:3.持分会社は、会社法上の公開会社である株式会社とは異なり、原則として、社員各自が当該会社の業務を執行し、当該会社を代表する。

○:4.持分会社の社員は、株式会社の株主とは異なり、退社による持分の払戻しが認められているが、当該社員の責任を明確にするために、登記によって退社の効力が生じる。

☓:5.持分会社が会社成立後に定款を変更するには、株式会社の場合とは異なり、原則として、総社員の同意を必要とする。

解説

1.正しい。
株式会社の株主では、金銭出資や現物出資に限られており(会社法第28条、199条1項など)、また、持分会社(合名会社、合資会社及び合同会社) でも、有限責任社員は、金銭等の出資に限られるが、無限責任社員は、労務出資や信用出資の方法が認められている(会社法第576条1項6号)。
2.正しい。
株式会社の株式は、原則として細分化された割合的単位で、その個々の内容は均一化されており(持分均一主義)、また、各株主は株式を複数所有することが可能で、その数に応じた地位を有する(持分複数主義)。
これに対し、持分会社の持分では、細分化や内容の均一化はされておらず、原則として、それぞれの社員の出資額に応じて扱いが異なっており(持分不均一主義)、また、一人一持分である(持分単一主義)。
3.正しい。
株式会社では、原則として、取締役が、株式会社(取締役会設置会社を除く)の業務を執行し(会社法第348条1項)、会社を代表する(会社法第349条1項本文)。
これに対し、持分会社では、原則として、社員各自が当該会社の業務を執行し(会社法第590条1項)、当該会社を代表する(会社法第599条1項本文)。
なお、他に持分会社を代表する社員その他持分会社を代表する者を定めることもできる(会社法第599条1項ただし書き)。
4.誤り。
持分会社の社員の任意退社では、やむを得ない事由があるときを除き、原則として、六箇月前までに持分会社に退社の予告をし、事業年度の終了の時において退社をすることができる(会社法第606条1項、3項)。
この場合において、退社の登記をしてないと、そのまま会社の債務を負い続けるなど、債務の責任に影響を及ぼすことになるが(会社法第612条1項)、登記が退社の効力発生要件になっているわけではないため、効力自体は予告した当該事業年度の終了の時に生じる。
なお、持分会社の社員に「退社による持分の払戻しが認められている」という点は正しい(会社法第611条1項)。
5.正しい。
株式会社における定款変更は、一部総株主の同意を要するのもあるが(会社法第164条など)、原則として株主総会の特別決議による。
これに対して、持分会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によって、定款の変更をすることができる(会社法第637条)。


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