行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成22年42問

憲法


問42 取消訴訟の原告適格に関する次の文章の空欄[ ア ]~[ エ ]に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。

平成16年(2004年)の行政事件訴訟法(以下、「行訴法」という。)改正のポイントとして、取消訴訟の原告適格の拡大がある。 取消訴訟の原告適格につき、行訴法9条(改正後の9条1項)は、「処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき[ 法律上の利益 ]を有する者……に限り、提起することができる。」と定めているが、最高裁判例は、ここでいう「当該処分の取消し求めるにつき『[ 法律上の利益 ]を有する者』とは、当該処分により自己の権利若しくは[ 法律上保護された利益 ]を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう」と解してきた。しかしながら、裁判実務上の原告適格の判断が狭いとの批判があり、平成16年改正により新たに行訴法9条に第2項が加えられ、「裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する[ 法律上の利益 ]の有無を判断するに当たっては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき[ 利益 ]の内容及び性質を考慮するものとする」ことが規定された。そしてこの9条2項は、[ 差し止め訴訟 ]の原告適格についても準用されている。

1、差止め訴訟 ,2、法律上の利益 ,3、権限 ,4、憲法上保護された利益 ,5、事実上の利益 ,6、住民訴訟 ,7、実質的当事者訴訟 ,8、損害 ,9、利益 ,10、法律上保護された利益 ,11、訴訟上保護された利益 ,12、立法目的 ,13、訴訟上の利益 ,14、公益 ,15、うべかりし利益 ,16、不作為の違法確認訴訟 ,17、法的地位 ,18、公共の福祉 ,19、紛争 ,20、形式的当事者訴訟

解説

ア.法律上の利益。
処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴えは、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなった後においてもなお処分又は裁決の取消しによって回復すべき法律上の利益を有する者を含む。)に限り、提起することができる(行政事件訴訟法第9条1項)。
イ.法律上保護された利益。
「取消訴訟の原告適格について規定する行政事件訴訟法九条にいう当該処分の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」とは、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう」(最判平成元年2月17日)
ウ.利益。
裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について、法律上の利益の有無を判断するに当たっては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。この場合において、当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たつては、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし、当該利益の内容及び性質を考慮するに当たっては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする(行政事件訴訟法第9条2項)。
エ.差止め訴訟。
行政事件訴訟法第37条の4第3項は「差止めの訴えは、行政庁が一定の処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り、提起することができる。」とし、4項で「前項に規定する法律上の利益の有無の判断については、第九条第二項の規定を準用する。」としている。
なお、義務付け訴訟でも同様に準用している。


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