行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成22年44問

行政法


問44 Y組合の施行する土地区画整理事業の事業地内に土地を所有していたXは、Yの換地処分によって、従前の土地に換えて新たな土地を指定された。
しかし、Xは、新たに指定された土地が従前の土地に比べて狭すぎるため、換地処分は土地区画整理法に違反すると主張して、Yを被告として、換地処分の取消訴訟を提起した。
審理の結果、裁判所は、Xの主張のとおり、換地処分は違法であるとの結論に達した。
しかし、審理中に、問題の土地区画整理事業による造成工事は既に完了し、新たな土地所有者らによる建物の建設も終了するなど、Xに従前の土地を返還するのは極めて困難な状況となっている。
この場合、裁判所による判決は、どのような内容の主文となり、また、このような判決は何と呼ばれるか。40字程度で記述しなさい。

解答例

請求を棄却するとともに、処分の違法を宣言することを主文とする判決で、事情判決と呼ばれる。(44字)

解説

主文は、基本的に結論が書かれるところであり、訴えの却下、請求棄却又は請求認容なのかを明らかにする必要があるので、「請求を棄却する」がキーワードとなる。
また、行政事件訴訟法31条1項は「取消訴訟については、処分又は裁決が違法ではあるが、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、原告の受ける損害の程度、その損害の賠償又は防止の程度及び方法その他一切の事情を考慮したうえ、処分又は裁決を取り消すことが公共の福祉に適合しないと認めるときは、裁判所は、請求を棄却することができる。この場合には、当該判決の主文において、処分又は裁決が違法であることを宣言しなければならない。」としているため、「処分の違法を宣言」もキーワードとなる。
したがって、当該部分は「請求を棄却するとともに、処分の違法を宣言することを主文とする判決で、」や「処分が違法であることを宣言して、請求を棄却する内容の主文となり、」となる。


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