行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成22年47問

一般知識

○:5.エ・オ


問47 政治とマスメディアの関係に関する次のア~オの記述のうち、妥当でないものの組合せはどれか。

ア、マスメディアは、ニュース報道や評論を通じて世論の形成に重大な影響を与えることから、立法・行政・司法に続く「第4の権力」と言われている。
イ、現代社会では、マスメディアは政治的関心を高めるうえで不可欠の存在になっているが、その一方で、マスメディアは政治について質の低い情報を伝えることによって、政治的無関心を助長する場合もあると指摘されている。
ウ、マスメディアが選挙報道において、ある候補者の有利・不利を報道することによって候補者の得票を増減させてしまうことがあるが、こうした効果は「アナウンス効果」と呼ばれる。
エ、小選挙区制度では、選挙期間中にマスメディアが不利と報道した候補者については、その潜在的な支持者が積極的に投票に行くようになり、得票を大きく伸ばす現象が見られるが、これは「バンドワゴン効果」と呼ばれる。
オ、日本の官公庁や政党では、取材や情報提供が円滑に行われるように会員制の記者クラブ制度がとられていたが、報道の画一化や官公庁への無批判な報道につながることから、現在では国の官庁においては廃止されている。

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

☓:1.ア・イ

☓:2.イ・ウ

☓:3.イ・オ

☓:4.ウ・エ

○:5.エ・オ

解説

ア.正しい。
マスメディアは、国民に対し権力を有している訳ではないが、世論に対し重大な影響力を与えるという点では、他の権力に匹敵する力を持っており、また、立法・行政・司法に対する監視役としての役割を担うことから、三権に次ぐ「第4の権力」と言われている。
イ.正しい。
政治的無関心(アパシーともいう)とは、一般国民が政治に対して、無関心、消極的志向又は軽蔑し否定的態度をとっている状態を指すが(定義や分類は諸説存在する)、マスメディアの商業主義によって、興味本位なスキャンダル情報や偏った批判的な情報等ばかりを伝えることになれば、政治的無関心を生み出す要因になりうる。
ウ.正しい。
アナウンス効果(アナウンスメント効果)とは、マスメディアが選挙報道において、候補者や政党の有利・不利等の情勢を報道することによって、有権者の投票意図や投票行動になんらかの影響を与える効果をいう。たとえば、マスメディアが不利と報道した場合に、潜在的な支持者等によって激励票や同情票が集まるアンダードッグ効果(負け犬効果)や逆にマスメディアが有利と報道した場合に、組織等が優勢候補を支持するバンドワゴン効果(勝ち馬効果)がある。
エ.誤り。
肢ウで説明の通り、本肢はアンダードッグ効果についてである。
オ.誤り。
日本の官公庁や政党の多くでは、取材や情報提供が円滑に行われるように会員制の記者クラブ制度がとられており、廃止はされていない。
なお、記者クラブ制度は、報道の画一化や官公庁との癒着により無批判報道につながり、また、記者クラブは、大手マスメディアが中心となって構成している組織であるため、非加盟のマスメディアは排除されてしまうなど問題点も多く指摘されており、一部の地方自治体では、同制度を廃止している。


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