行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成22年48問

一般知識

○:4.ウ・オ


問48 日本の行政組織に関する次のア~オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。

ア、行政組織には、独任制の組織と合議制の組織があるが、合議制をとる場合でも、最終的な決定権は原則として合議機関の長にある。
イ、行政委員会は、所轄の行政機関の指揮監督から独立した合議制の機関であり、予算や人事についても内閣等から独立して自ら決定することができる。
ウ、審議会は、専門性の確保や民意の反映を目的として、行政機関に付随して設置される合議制の機関であり、原則としてその決定は行政機関を拘束するものではない。
エ、内閣府は、内閣の補助機関であると同時に内閣総理大臣を直接補佐する組織であり、内閣の重要政策に関する総合戦略機能を果たすものとされている。
オ、日本の行政組織では、一般に個々の職員の所掌事務を明確に区分せず、課や部などの単位組織全体で職務を処理する「大部屋主義」がとられている。

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

☓:1.ア・ウ

☓:2.イ・エ

☓:3.イ・ウ

○:4.ウ・オ

☓:5.エ・オ

解説

ア.誤り。
行政組織には、独任制の組織と合議制の組織があるが、合議制をとる場合、その決定は、原則として多数決で決することになり、合議機関の長が決するのは、可否同数のときなど例外的な場合に限られる。たとえば、国家公安委員会の場合、「国家公安委員会の議事は、出席委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。」と定められている(警察法第11条2項)。
イ.誤り。
行政委員会は、所轄の行政機関の指揮監督から独立した合議制の機関であるが、内閣は、委員任命権や予算権を掌握しているため、予算や人事について内閣等から独立して自ら決定することはできない。
なお、内閣が、委員任命権や予算権を掌握しているというのは、憲法第65条の「行政権は、内閣に属する。」に対し、独立性のある行政委員会が合憲である根拠として、挙げられることがある。
ウ.正しい。
審議会は、専門性の確保や民意の反映を目的として、行政機関に付随して設置される合議制の諮問機関であり、原則としてその決定は行政機関を拘束するものではない。
なお、電波監理審議会のように参与機関にあたるものは、行政機関を拘束する。
エ.誤り。
内閣府は、内閣機能強化の観点から、設置されている機関で、内閣の重要政策に関する内閣の事務を助けることを任務とする(内閣府設置法第3条1項)。
なお、内閣の補助機関であると同時に内閣総理大臣を直接補佐する組織であり、内閣の重要政策に関する総合戦略機能を果たすものとされているのは、内閣官房である(内閣法第12条以下)。
オ.正しい。
日本の行政組織では、物理的な職場の空間が、課や部などの単位組織になっており、それに伴い職務についても、個々の職員の所掌事務を明確に区分せず、課や部などの単位組織全体で職務が処理されている。これを「大部屋主義」という。
なお、欧米の行政組織の多くでは、「個室主義」がとられており、物理的な職場の空間が、各自個室又は区切られた場所になっており、また、個々の職員の所掌事務が明確に区分されている。


この問題の成績

  • まだ、データがありません。


  • 試験過去問題の使い方

    平成30年までの行政書士試験問題の過去問を掲載しています。

    問題の解答ボタンの順番が、毎回ランダムで移動するので正解番号を覚えてしまうことを防止できます

    過去問ドリル使い方

    法令、一般知識のほか、法令につては(基礎法学、憲法<総論、人権、統治、財政>、行政法<行政手続法行政指導、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法>、民法<総則、物件、担保物件、債権>、商法、会社法、)などジャンルから選択するか、試験出題年度を選択してください。

    問題文章の後に選択肢が表示されるので、文章をタッチして解答してください

    解答画面では、過去6ヶ月間の解答について、履歴を表示するとともに、ユーザー全体の正解率を表示します。


    過去問を使った学習のヒント

    行政書士試験の本番時間は、3時間(180分) 法令46問、一般知識14問の合計60問が出題されます。

    1問あたり3分180秒で解答すれば間に合う計算になります。しかし、実際には、記述はもちろん、多肢選択、一般知識の文章読解問題は長い問題文を読んでいるだけで3分以上かかる場合もあるので180秒より速く解答する必要があります

    重要!毎日三時間用意する

    1問あたり100秒で解く(おおよそ半分の時間で一周できます)

    じゃあ残った時間は何をするのか?→解答を見る前に必ず見直すようにしてください。(回答時に自信がある問題、ない問題の目印をつけておくなど)


    過去問ドリルに取り組む前に

    一通りテキストを読み込んでから取り組みましょう。

    どの年度でもいいので初回60問といて、94点未満以下の場合はもう一度テキストを読み込む作業に戻りましょう

    300点満点中の180点取れれば合格ですので、目安として94点以上であれば、本格的に過去問ドリルに取り組んでみてください。