行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成22年51問

一般知識

○:3.イ・エ


問51 日本の中小企業に関する次のア~オの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。

ア、中小企業基本法上の定義に基づき、企業を中小企業と大企業とに区分すると、大企業は企業総数の1%にも満たず、中小企業が全体のおおよそ99%を占めている。
イ、中小企業基本法において、中小企業とは、資本金、従業員数、売上高の三つが一定規模以下の企業と規定されている。
ウ、法人税法では、当期末の資本金額が一定規模以下の普通法人について、標準税率よりも低い軽減税率を適用することとしている。
エ、中小企業の多くは、従業者一人当たりの賃金や資本装備率が低い反面、優れた技術や特許を持っており、大企業に比べて生産性が高い。
オ、いわゆる中小企業挑戦支援法(*)の導入により、資本金1円以上での会社設立が可能となったことから、会社の設立登記数が増大した。
(注) * 中小企業等が行う新たな事業活動の促進のための中小企業等協同組合法等の一部を改正する法律

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

☓:1.ア・イ

☓:2.ア・ウ

○:3.イ・エ

☓:4.ウ・オ

☓:5.エ・オ

解説

ア.正しい。
中小企業基本法上の定義に基づき、企業を中小企業と大企業とに区分すると、大企業は企業総数の0.3%(1万2千社)であり、中小企業が全体のおおよそ99.7%(419万8千社)を占めている(2008年版中小企業白書による2006年度の統計数値)。
イ.誤り。
中小企業基本法における中小企業の定義は、常用雇用者300人以下(卸売業、サービス業は100人以下、小売業、飲食店は50人以下)、または資本金3億円以下(卸売業は1億円以下、小売業、飲食店、サービス業は5,000万円以下)の企業である(中小企業基本法第2条)。
したがって、同法における中小企業の定義に売上高の規模は規定されてない。
なお、会社法の大会社の定義は、最終事業年度にかかる貸借対照表において、資本金が5億円以上又は負債額が200億円以上を計上した株式会社である(会社法第2条6号)。
ウ.正しい。
法人税法では、当期末の資本金額が一定規模以下の普通法人について、標準税率よりも低い軽減税率を適用することとしており、たとえば、原則として資本金が1億円を超える場合の国税法人税は、30%であるのに対し、1億円以下の場合は課税所得が800万円以下の部分については22%(平成23年3月31日までは18%、800万円を越える部分については30%)となっている(法人税法第66条、租税特別措置法第42条の3の2)。
なお、法人税に限らず、税制度全般として、中小企業は、優遇されていることから、あえて中小企業にとどまっている会社も多くみられる。
エ.誤り。
中小企業の多くは、大企業に比べて従業者一人当たりの賃金や資本装備率(従業員1人あたりの固定資産額を表す)が低いというのはその通りであるが、生産性(労働や資本から付加価値を生み出す際の効率)についても、同様に大企業に比べて低い。
オ.正しい。
中小企業挑戦支援法は、平成15年2月1日に施行された新たな事業活動の展開に挑戦する中小企業者を積極的に支援する制度を具体化した法であり、同法によって設立されたいわゆる確認会社は、同法が統合されて中小企業新事業活動促進法になるまでの2年間強で、2万社を超えており、平成14年度まで3年連続で減少していた設立登記数が上昇に転じる一つの要因となった。
なお、現在では会社法により最低資本金規制が撤廃されているため、同制度の特例は撤廃されている。


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