行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成23年36問

商法商行為

○:2.契約はAの商号を使用したBとCの間で成立するが、AはBと連帯して本件取引によって生じた債務について責任を負う。


問36

商人Aが、商人Bに対してAの商号をもって営業を行うことを許諾したところ、Aの商号を使用したBと取引をした相手方Cは、当該取引(以下、「本件取引」という。)を自己とAとの取引であると誤認した。本件取引の相手方の誤認についてCに過失がなかった場合、A・B・C間の法律関係に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

☓:1.契約はAとCの間で成立し、Aが本件取引によって生じた債務について責任を負うが、CはBに対しても履行の請求をすることができる。

○:2.契約はAの商号を使用したBとCの間で成立するが、AはBと連帯して本件取引によって生じた債務について責任を負う。

☓:3.契約はAとCの間で成立するが、BはAと連帯して本件取引によって生じた債務について責任を負う。

☓:4.契約はAの商号を使用したBとCの間で成立するが、Aは本件取引によって生じた債務について半分の割合で責任を負う。

☓:5.Cは、本件取引における契約の相手方がAであるかBであるかを選択することができるが、一方を選択した場合は他方との契約関係の存在を主張できない。

解説

1 誤り。
本問では本件契約は、商号を使用したBとそれを信じたCの間に成立する。
商法第14条は「自己の商号を使用して営業又は事業を行うことを他人に許諾した商人は、当該商人が当該営業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う」と規定しAの責任も認めているが、契約はあくまでBC間に成立する。
2.正しい。
本問のように、AがBに対してAの商号をもって営業を行うことを許諾することを「名板貸」という。
名板貸における名板貸人(A)の責任について商法第14条は「当該商人(A)が当該営業を行うものと誤認して当該他人(B)と取引をした者に対し、当該他人(B)と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う」旨を規定している。
したがって、AはBと連帯して本件取引によって生じた債務について責任を負う。
3.誤り。
上記肢1及び肢2の解説でも述べたように、契約はBC間に成立し、AはBと連帯して本件取引によって生じた債務について責任を負う。
4.誤り。
本肢前半の「契約はAの商号を使用したBとCとの間で成立するが」とする点は正しい。
しかし、AはBと連帯して本件取引によって生じた債務について責任を負うのであって、本肢後半のように「Aは本件取引によって生じた債務について半分の責任」を負うわけではない。
5.誤り。
上記肢1の解説でも述べたように、契約はBC間に成立する。
したがって、Cに契約相手をAかBか選択でき、一方を選択した場合は他方との契約関係の存在を主張することができないとする記述は誤っている。


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