行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成24年38問

商法会社法

○:5.総株主の議決権の100分の3以上の議決権を有する株主は、その権利を行使するために必要があるときには、裁判所の許可を得て、会計帳簿の閲覧を請求することができる。


問38

公開会社ではない取締役会設置会社であって、監査役設置会社ではない会社の株主の権利に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

☓:1.総株主の議決権の100分の3以上の議決権を有する株主は、取締役に対して、株主総会の目的である事項および招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができる。

☓:2.取締役が法令または定款に違反する行為をするおそれがある場合で、当該行為によって会社に著しい損害が生じるおそれがあるときには、株主は、当該取締役に対して、当該行為の差止めを請求することができる。

☓:3.取締役が法令または定款に違反する行為をするおそれがあると認めるときには、株主は、取締役に対して、取締役会の招集を請求することができる。

☓:4.株主は、その権利を行使するために必要があるときには、会社の営業時間内は、いつでも取締役会議事録の閲覧を請求することができる。

○:5.総株主の議決権の100分の3以上の議決権を有する株主は、その権利を行使するために必要があるときには、裁判所の許可を得て、会計帳簿の閲覧を請求することができる。

解説

補足
本問リード文における「公開会社ではない取締役会設置会社であって、監査役設置会社ではない会社」とした場合、委員会設置会社ということもありうるが、委員会設置会社を前提に検討した場合、選択肢2、3、4は、誤りとなる(各肢青字参照)。
したがって、やや疑義の残る問題ではあるが、委員会設置会社は除いて検討するということになる。
1.正しい。
非公開会社において総株主の議決権の100分の3(定款で割合の緩和可能)以上の議決権を有する株主は、取締役に対し、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権行使できる事項に限る。)及び招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができる(会社法第297条2項)。
なお、公開会社の株主招集請求権の場合は、議決権について「6ヶ月(定款で期間の緩和可能)前から引き続き有している」という期間の要件が加重される(会社法第297条1項)。
2.正しい。
非公開会社の株主は、取締役が株式会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該株式会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる(会社法第360条1項)。
なお、公開会社の差止めの請求では、「6ヶ月(定款で期間の緩和可能)前から引き続き有している株主」という期間の要件が加重される(会社法第360条1項)。
また、さらに、監査役設置会社又は委員会設置会社の株主招集請求権の場合は、「著しい損害」が「回復することができない損害」という要件に加重される(会社法第360条3項)。
3.正しい。
取締役会設置会社(監査役設置会社及び委員会設置会社を除く。)の株主は、取締役が取締役会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがあると認めるときは、取締役会の招集を請求することができる(会社法第367条1項)。
なお、この請求は、取締役に対し、取締役会の目的である事項を示して行わなければならない(会社法第367条2項)。
4.正しい。
株主は、その権利を行使するため必要があるときは、株式会社の営業時間内は、いつでも、取締役会議事録の閲覧又は謄写の請求をすることができる(会社法第371条2項)。
なお、監査役設置会社又は委員会設置会社の場合は、裁判所の許可がなければ取締役会議事録の閲覧・謄写請求できない(会社法第371条3項)。
5.誤り。
総株主の議決権の100分の3(定款で割合の緩和可能)以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除く。)の100分の3(定款で割合の緩和可能)以上の数の株式を有する株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、会計帳簿の閲覧又は謄写の請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない(会社法第433条1項)。
したがって、会計帳簿の閲覧・謄写の請求では、「裁判所の許可」は必要でない。


この問題の成績

  • まだ、データがありません。


  • 試験過去問題の使い方

    平成30年までの行政書士試験問題の過去問を掲載しています。

    問題の解答ボタンの順番が、毎回ランダムで移動するので正解番号を覚えてしまうことを防止できます

    過去問ドリル使い方

    法令、一般知識のほか、法令につては(基礎法学、憲法<総論、人権、統治、財政>、行政法<行政手続法行政指導、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法>、民法<総則、物件、担保物件、債権>、商法、会社法、)などジャンルから選択するか、試験出題年度を選択してください。

    問題文章の後に選択肢が表示されるので、文章をタッチして解答してください

    解答画面では、過去6ヶ月間の解答について、履歴を表示するとともに、ユーザー全体の正解率を表示します。


    過去問を使った学習のヒント

    行政書士試験の本番時間は、3時間(180分) 法令46問、一般知識14問の合計60問が出題されます。

    1問あたり3分180秒で解答すれば間に合う計算になります。しかし、実際には、記述はもちろん、多肢選択、一般知識の文章読解問題は長い問題文を読んでいるだけで3分以上かかる場合もあるので180秒より速く解答する必要があります

    重要!毎日三時間用意する

    1問あたり100秒で解く(おおよそ半分の時間で一周できます)

    じゃあ残った時間は何をするのか?→解答を見る前に必ず見直すようにしてください。(回答時に自信がある問題、ない問題の目印をつけておくなど)


    過去問ドリルに取り組む前に

    一通りテキストを読み込んでから取り組みましょう。

    どの年度でもいいので初回60問といて、94点未満以下の場合はもう一度テキストを読み込む作業に戻りましょう

    300点満点中の180点取れれば合格ですので、目安として94点以上であれば、本格的に過去問ドリルに取り組んでみてください。