行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成24年49問

一般知識

○:2.1776年に北アメリカ北東部のイギリスの13植民地が独立宣言を発表した。さらに、その後、フィラデルフィアの憲法制定会議で合衆国憲法が制定された。


問49

諸外国における革命および憲法に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

☓:1.イギリスでは、1689年に、議会がまとめた「権利の宣言」を国王が受け入れる名誉革命がなされた。議会は同年に、この宣言を「イングランド人権宣言」として制定した。

○:2.1776年に北アメリカ北東部のイギリスの13植民地が独立宣言を発表した。さらに、その後、フィラデルフィアの憲法制定会議で合衆国憲法が制定された。

☓:3.フランスでは、1789年に国民議会で人権宣言が採択された。この宣言は、すべての人間の自由・平等、主権在民、言論の自由、生産手段の国有化など、近代市民社会の原理を主張するものであった。

☓:4.1917年にはロシアで社会主義革命が起きた。ロシア・ウクライナ・ベラルーシ・ザカフカースの4ソヴィエト共和国は連合して、単一主権制のソヴィエト連合人民共和国を建国し、新憲法が公布された。

☓:5.ドイツでは、1919年にボンで開かれた国民議会で、民主的な憲法であるボン基本法が制定された。1933年のナチス党のヒトラーの政権掌握までの共和国は、ボン共和国と呼ばれる。

解説

1.妥当でない。
名誉革命は、1689年に市民革命によって国王ジェームズ2世が追放され、国王の娘とその夫オランダ総督ウィリアム3世が即位したクーデター事件である。
新王となったウィリアム3世は、王位に対する議会の優位を認めた「権利の宣言」に署名し、同年それを成文化した「権利の章典」が発布され、これ以降、イギリス国王は「君臨すれども統治せず」の原則に従う立憲君主であることが確定した。
権利の章典の具体的な内容としては、国王による恣意的課税の禁止、請願権、信教・言論の自由等が規定されている。
したがって、権利の宣言を成文化したものは、「イングランド人権宣言」ではなく、「権利の章典」である。
なお、法典は現在も有効であり、イギリスでは不文憲法の根本法となっている。
2.妥当である。
当時イギリスの植民地であったアメリカ(北アメリカ北東部13植民地)は、課税強化や輸入制限などを強いられていたことが原因になって、独立戦争に発展し、1776年に独立宣言を発表することになった。
さらに、その後、1783年にパリ条約においてイギリスはアメリカ合衆国の独立を承認し、1787年にフィラデルフィアの憲法制定会議で合衆国憲法が制定された。
3.妥当でない。
フランスでは、1789年に国民議会で人権宣言が採択された(フランス人権宣言)。
この宣言は、フランス革命の基本原則を記したもので、人間の自由と平等、主権在民、言論の自由、三権分立、所有権の神聖などが規定されている。
しかし、「生産手段の国有化」は、規定されていない。
フランス人権宣言では、所有は不可侵で神聖な権利であることを謳っており、これは生産手段の私有化を認める概念であるから、「生産手段の国有化」とは、 相交わることのできない概念である。
4.妥当でない。
ロシアは、1917年の社会主義革命によって、その翌年にプロレタリア独裁制のソヴィエト政府を成立させ、世界初の社会主義国家が誕生した。
その後、内乱と戦争で衰退した国民経済を一定の民主主義的要素を取り入れて回復を図り、1922年にロシア・ウクライナ・ベラルーシ・ザカフカースの4ソヴィエト共和国は連合して、ソヴィエト社会主義共和国連邦を成立させて新憲法が公布された。
したがって、「単一主権制のソヴィエト連合人民共和国」としている点が誤りである。
5.妥当でない。
1918年にドイツ革命によって、ドイツ帝国は崩壊し、ドイツ共和国が誕生する。
そして、その翌1919年にワイマールで開かれた国民会議でワイマール憲法が制定される。
ワイマール憲法は、国民主権、男女平等の普通選挙、議会制民主主義の他、初めて社会権(生存権など)の保障について定めており、20世紀の民主主義憲法の先駆けである。
その後、1933年のナチス党のヒトラーの政権掌握までの共和国は、ワイマール共和国と呼ばれる。
なお、ボン基本法は、戦後西ドイツで制定された憲法である。


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