解答 行政書士試験 平成25年18問
行政事件訴訟法
○:2.裁判所は、必要があると認めるときは、職権で証拠調べをすることができるが、その結果について当事者の意見をきかなければならない。
○:2.裁判所は、必要があると認めるときは、職権で証拠調べをすることができるが、その結果について当事者の意見をきかなければならない。
問18
取消訴訟に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)
☓:1.取消訴訟の原告は、処分行政庁に訴状を提出することにより、処分行政庁を経由しても訴訟を提起することができる。
○:2.裁判所は、必要があると認めるときは、職権で証拠調べをすることができるが、その結果について当事者の意見をきかなければならない。
☓:3.取消訴訟の訴訟代理人については、代理人として選任する旨の書面による証明があれば誰でも訴訟代理人になることができ、弁護士等の資格は必要とされない。
☓:4.裁判所は、処分の執行停止の必要があると認めるときは、職権で、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止をすることができる。
☓:5.取消訴訟の審理は、書面によることが原則であり、当事者から口頭弁論の求めがあったときに限り、その機会を与えるものとされている。
解説
1.誤り。
訴えの提起は、訴状を裁判所に提出してしなければならないため(行政事件訴訟法第7条、民事訴訟法第133条1項)、処分行政庁を経由して訴訟を提起することはできない。
なお、審査請求は、処分庁を経由してすることもできる点と混同しないように注意されたい(行政不服審査法第17条)。
2.正しい。
裁判所は、必要があると認めるときは、職権で、証拠調べをすることができる。ただし、その証拠調べの結果について、当事者の意見をきかなければならない(行政事件訴訟法第24条)。
3.誤り。
法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができないのが原則である(行政事件訴訟法第7条、民事訴訟法第54条1項)。
なお、行政不服申立ての代理人の資格は書面で証明することを要し(行政不服審査法第13条1項)、弁護士や税理士等の資格は必要としない。
もっとも、報酬を得る目的で行政不服審査法の代理人をするには原則として弁護士資格が必要であり(司法書士等一定の法律家も可)、それ以外の者が報酬を得る目的で代理人をした場合は、弁護士法第72条違反(非弁行為)に該当することになっていた。
しかし、平成26年の改正により、一定の資格を満たしたものが「特定行政書士」として現に行政書士が作成した書類に係る許認可等に限り、不服審査の代理権が付与されることとなった。
これは、行政書士会にとっては長年の悲願ともいえる改正であった。
4.誤り。
処分の取消しの訴えの提起があった場合において、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもって、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止をすることができる(行政事件訴訟法第25条2項)。
したがって、「必要があると認めるときは、職権で・・・できる。」としている点が誤っている。
なお、審査請求において上級行政庁が審査庁の場合は、必要があると認めるときは、職権で執行停止することができる(行政不服審査法第34条2項)。
5.誤り。
取消訴訟の審理は、口頭によることが原則である(行政事件訴訟法第7条、民事訴訟法第87条、148条以下)。
なお、審査請求は、書面審理を原則とし、当事者からの求めに応じて、口頭で意見を述べる機会が付与される(行政不服審査法第25条1項)。
この問題の成績
まだ、データがありません。