行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成25年24問

地方自治法

○:2.日本国民たる普通地方公共団体の住民は、地方自治法の定めにより、条例の制定又は改廃を請求する権利を有するが、日本国籍を有しない者であっても、そこに住所を有していれば、こうした権利を有する。


問24

住所に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。争いがある場合には、最高裁判所の判例による。

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

☓:1.日本国民たる年齢満20歳以上の者で引き続き一定期間以上市町村の区域内に住所を有するものは、その属する普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する。

○:2.日本国民たる普通地方公共団体の住民は、地方自治法の定めにより、条例の制定又は改廃を請求する権利を有するが、日本国籍を有しない者であっても、そこに住所を有していれば、こうした権利を有する。

☓:3.公職選挙法上の住所とは、各人の生活の本拠、すなわち、その人の生活に最も関係の深い一般的生活、全生活の中心を指す。

☓:4.都市公園内に不法に設置されたテントを起居の場所としている場合、テントにおいて日常生活を営んでいる者は、テントの所在地に住所を有するということはできない。

☓:5.地方自治法に基づく住民訴訟は、当該地方公共団体内に住所を有する者のみが提起することができ、訴訟係属中に原告が当該地方公共団体内の住所を失えば、原告適格を失う。

解説

1.正しい。
日本国民たる年齢満二十年以上の者で引き続き三箇月以上市町村の区域内に住所を有するものは、公職選挙法の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する(地方自治法第18条、公職選挙法第9条)。
2.誤り。
地方自治法では、条例の制定又は改廃の請求を含めた各直接請求の対象者について、第2章(住民)で「日本国民たる普通地方公共団体の住民は」とし、第5章(直接請求)で更に限定し「普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する者」としている。
したがって、日本国籍を有しない者は、住所を有していても、直接請求はできない。
3.正しい。
「公職選挙法及び地方自治法が住所を選挙権の要件としているのは、一定期間、一の地方公共団体の区域内に住所を持つ者に対し当該地方公共団体の政治に参与する権利を与えるためであって、その趣旨から考えても、選挙権の要件としての住所は、その人の生活にもっとも関係の深い一般的生活、全生活の中心をもってその者の住所と解すべく、所論のように、私生活面の住所、事業活動面の住所、政治活動面の住所等を分離して判断すべきものではない」(最判昭和35年3月22日)
4.正しい。
「都市公園法に違反して、都市公園内に不法に設置されたキャンプ用テントを起居の場所とし、公園施設である水道設備等を利用して日常生活を営んでいることなど原審の適法に確定した事実関係の下においては、社会通念上、上記テントの所在地が客観的に生活の本拠としての実体を具備しているものと見ることはできない。」(最判平成20年10月3日)
5.正しい。
住民訴訟の訴訟要件の一つである当該普通地方公共団体の住民であることは、維持されなければならず、事実審の口頭弁論終結時までに当該普通地方公共団体から転出した場合には、当事者適格を欠く者の訴えとして不適法となる(大阪高判昭和59年1月25日)。


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