解答 行政書士試験 平成25年54問
一般知識
○:3.地方自治体の情報公開条例は、通例、地方自治の本旨を、国の情報公開法は知る権利を、それぞれ目的規定に掲げている。
○:3.地方自治体の情報公開条例は、通例、地方自治の本旨を、国の情報公開法は知る権利を、それぞれ目的規定に掲げている。
問54
情報公開制度に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)
☓:1.情報公開制度については、地方自治体の条例制定が先行し、その後、国の法律が制定された。
☓:2.国の法律の制定順序については、まず、行政機関が対象とされ、その後、独立行政法人等について別の法律が制定された。
○:3.地方自治体の情報公開条例は、通例、地方自治の本旨を、国の情報公開法は知る権利を、それぞれ目的規定に掲げている。
☓:4.行政文書の開示請求権者については、国の場合は何人もとされているが、今日では、地方自治体の場合にも何人もとするところが多い。
☓:5.開示請求手数料については、国の場合には有料であるが、地方自治体の開示請求では無料とする場合が多い。
解説
1.正しい。
情報公開制度が大きく議論されるようになったのは、昭和47年の外務省機密文書(沖縄密約)漏洩事件や昭和51年のロッキード事件などで政治の密室性や腐敗が表面化したことが契機になっており、その後、情報公開の重要性が唱えられるようになった。
しかし、議論がされるだけで国レベルでの制度構築は一向に進まず、先行したのは地方自治体であり、昭和57年3月に山形県最上郡金山町が公文書公開条例を成立させ、さらに同年中に神奈川県と埼玉県が情報公開の制度化に踏み切り、その後も全国的に拡大していった。
一方、国の法律(行政機関情報公開法)が制定されたのは、平成11年5月である。
2.正しい。
行政機関情報公開法が平成11年5月に制定され、その2年後の平成13年12月に独立行政法人情報公開保護法が制定された。
なお、独立行政法人が初めて設立されたのは、平成13年4月である。
3.誤り。
地方自治体の情報公開条例は、「地方自治の本旨」を目的規定に掲げることが多い(例えば「東京都情報公開条例第1条」など)。
一方、国の情報公開法には、「知る権利」を目的規定に掲げていない。
行政機関情報公開法第1条
この法律は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする。
独立行政法人情報公開法第1条
この法律は、国民主権の理念にのっとり、法人文書の開示を請求する権利及び独立行政法人等の諸活動に関する情報の提供につき定めること等により、独立行政法人等の保有する情報の一層の公開を図り、もって独立行政法人等の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする。
4.正しい。
行政文書の開示請求権者については、国の場合は「何人も」とされているが(行政機関情報公開法第3条)、今日では、地方自治体の場合でも「何人も」とするところが多くなっており、例えば、神奈川県情報公開条例や群馬県情報公開条例がそうなっている。
5.正しい。
開示請求手数料については、国の場合には有料であるが(行政機関情報公開法第16条1項)、地方自治体の場合には無料とする場合が多く、例えば、神奈川県情報公開条例や群馬県情報公開条例がそうなっている。ただし、写し等の交付に要する費用(開示実施費用)は、請求者の負担となっていることが多い。
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