解答 行政書士試験 平成25年55問
一般知識
○:1.行政機関情報公開法 *1 では、特定の個人を識別することができなくとも、公にすることにより当該個人の権利利益を侵害するおそれがあるような情報が載っている行政文書は不開示となりうる。
○:1.行政機関情報公開法 *1 では、特定の個人を識別することができなくとも、公にすることにより当該個人の権利利益を侵害するおそれがあるような情報が載っている行政文書は不開示となりうる。
問55
個人の情報の取扱いに関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
(注)*1 行政機関の保有する情報の公開に関する法律
*2 公文書等の管理に関する法律
*3 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律
選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)
○:1.行政機関情報公開法 *1 では、特定の個人を識別することができなくとも、公にすることにより当該個人の権利利益を侵害するおそれがあるような情報が載っている行政文書は不開示となりうる。
☓:2.住民基本台帳法は住民の居住関係を公証するものであるので、氏名、性別、生年月日、住所の基本4情報については、何人でも理由のいかんを問わず閲覧謄写できる。
☓:3.戸籍法は国民個人の身分関係を公証するという機能を営むものであるので、重婚などを防ぐために、何人でも戸籍謄本等の交付請求ができるという戸籍の公開原則を維持している。
☓:4.公文書管理法 *2 の制定により、外交文書に記載されている個人情報は、文書が作成されてから30年が経過した時点で一律に公開されることとなった。
☓:5.行政機関個人情報保護法 *3 の下では、何人も自分の情報の開示を請求することができるが、訂正を求めることはできない。
解説
1.正しい。
個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるものは原則として不開示情報である(行政機関情報公開法第5条1号)。
例えば、カルテ、反省文、個人の未発表論文などは、個人の人格と密接な関係にある情報であり、当該個人の意思によって公に流通させるかの判断をすべきものであるから、たとえ個人識別性がなくても、当該規定における不開示情報にあたると解されている。
2.誤り。
本人、行政機関関係者及び法定の特殊な活動をしている者以外の者が、住民基本台帳の情報の閲覧謄写をするには、自己の権利・義務行使に必要であるなど正当な理由が必要である(住民基本台帳法第12条の3第1項)。
したがって、「何人でも理由のいかんを問わず閲覧謄写できる。」としている点が誤りである。
3.誤り。
戸籍情報は非公開を原則としており、戸籍記載者以外が、戸籍謄本等の交付をするには、自己の権利・義務行使に必要であるなど正当な理由が必要である(戸籍法第10条の2)。
したがって、戸籍公開の原則は採用されていない。
4.誤り。
外交文書を作成されてから30年が経過した時点で公開する制度は、公文書管理法の制定によりされているわけではなく、外務省の独自の制度として、外交記録公開に関する規則に基づいてされているものである。
また、一律公開ではなく原則公開であり(ただし、平成21年に厳格化された)、また、個人情報については非公開である(外交記録公開に関する規則第6条、審査基準2(1))。
なお、公文書管理法においても、個人情報は公開されないことになっている(公文書管理法第16条)。
5.誤り。
行政機関個人情報保護法では、開示請求も認めているし、訂正請求も認めている(行政機関個人情報保護法第14条、27条)。
なお、訂正請求については、開示請求前置主義(開示を受けた保有個人情報のみが対象)を採用している(行政機関個人情報保護法第27条1項1号)。
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