行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成25年58問

一般知識 文章理解

○:5.エ→イ→ア→ウ


問58 本文中の空欄に入る文章をア~エの文を並べ替えて作る場合、順序として適当なものはどれか。

接続詞は論理的か、というのは難しい質問です。論理学のような客観的な論理に従っているかという意味では、答えはノーです。もし厳密に論理で決まるのであれば、以下のように、論理的に正反対の事柄に両方「しかし」が使えるというのは説明できません。
 ・昨日は徹夜をして、今朝の試験に臨んだ。しかし結果は0点だった。
 ・昨日は徹夜をして、今朝の試験に臨んだ。しかし結果は100点だった。
暗黙の了解として、前者の例では「徹夜をするくらい一生懸命準備すればそれなりの点が取れるだろう」があり、後者の例では、「徹夜をするくらい準備が不足していたのなら(または徹夜明けの睡眠不足の状態で試験を受けたのなら)それなりの点しか取れないだろう」があったと考えられます。このことは、接続詞の選択が客観的な論理で決まるものではなく、書き手の主観的な論理で決まることを暗示しています。
(中略)
接続詞で問われているのは、命題どうしの関係に内在する論理ではありません。命題どうしの関係を書き手がどう意識し、読み手がそれをどう理解するのかという解釈の論理です。
もちろん、言語は、人に通じるものである以上、固有の論理を備えています。



空欄

 
わかりやすくいうと、文字情報のなかに理解の答えはありません。文字情報は理解のヒントにすぎず、答えはつねに人間が考えて、頭のなかで出すものだということです。
(石黒圭「文章は接続詞で決まる」より)
ア じつは、人間が言語を理解するときには、文字から得られる情報だけを機械的に処理しているのではありません。
イ しかし、その論理は、論理学のような客観的な論理ではなく、二者関係の背後にある論理をどう読み解くかを示唆する解釈の論理なのです。
ウ 文字から得られる情報を手がかりに、文脈というものを駆使してさまざまな推論をおこないながら理解しています。
エ 接続詞もまた言語の一部であり、「そして」には「そして」の、「しかし」には「しかし」の固有の論理があります。

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

☓:1.ア→イ→エ→ウ

☓:2.ア→ウ→エ→イ

☓:3.イ→ウ→ア→エ

☓:4.エ→ウ→ア→イ

○:5.エ→イ→ア→ウ

解説

本問において、ヒントになるのは、イの「しかし、その論理は」である。
「その論理は」と言っている以上は、前の文章の文末に「論理」の用語があることが予想される。
それが当てはまるのは、空欄前の終わりと、エの最後にある「固有の論理」であるから、イが先頭に来るか、「エ→イ」が繋がると推測がつく。
これによって、選択肢は、2と3と5に絞れる。
この他に、分かり易いヒントはないので、後は内容面から判断することになるが、特に判断しやすいのは、アからの流れである。
「じつは」は、通常、相手(この場合は読者)が知らない又は知らないことが予想される解答や事実を述べる前に使われる。
そして、アの文章では「ありません。」という否定で終わっているので、その解答や事実は、まだ述べていない。
つまり、アの解答や事実にあたる内容を述べている肢が次に来ることになる。
その観点から検討すると、アの「じつは、・・理解するときには、・・機械的に処理しているのではありません。」→ウの「・・・さまざまな推論をおこないながら理解しています。」は、流れとしてスムーズである。
これで、選択肢は2と5に絞れ、後は「エ→イ」「ア→ウ」のどちらが前(又は後)にくるかの検討である。
この点、枠の後の文章は、「わかりやすくいうと」で始まり、「理解」の単語があるという観点から、アの「じつは」から始まった流れで、その解答や事実を述べる文章がまだ続いていると判断できる。
したがって、「エ→イ→ア→ウ」となる。


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