行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成26年12問

行政手続法

○:5.審査基準を公にすると行政上特別の支障が生じるのであれば、Yが審査基準を公にしなかったことも違法とはならない。


問12

許可の申請手続において、行政庁Yは審査基準を公にしないまま手続を進めて、結果として申請者Xに許可を与えなかった。この事例に関する次の記述のうち、行政手続法の条文に照らし、正しいものはどれか。
(注)* 行政機関の保有する情報の公開に関する法律

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

☓:1.Yは公聴会を開催してXの意見を聞く法的義務を負うことから、Yが審査基準を公にしなかったことも違法とはならない。

☓:2.行政庁が審査基準を公にすることは努力義務に過ぎないことから、Yが審査基準を公にしなかったことも違法とはならない。

☓:3.Xは情報公開法 * に基づき情報公開請求をして審査基準を閲覧できることから、Yが審査基準を公にしなかったことも違法とはならない。

☓:4.審査基準は、申請者の求めがあったときにこれを示せば足りることから、Xが審査基準の提示をYに求めなかったのであれば、Yが審査基準を公にしなかったことも違法とはならない。

○:5.審査基準を公にすると行政上特別の支障が生じるのであれば、Yが審査基準を公にしなかったことも違法とはならない。

解説

1.誤り。
行政手続法10条は、「行政庁は、申請に対する処分であって、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該法令において許認可等の要件とされているものを行う場合には、必要に応じ、公聴会の開催その他の適当な方法により当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならない。」と規定している。
つまり、公聴会を開催することは努力義務であって、法的義務ではない。
なお、審査基準については、肢2参照。
2.誤り。
行政手続法5条3項は、「行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、法令により申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない」と規定している。
つまり、「審査基準を公にすることは法的義務」である。
3.誤り。
肢2参照。
「審査基準を公にすることが法的義務」であるから、本肢の「Xが情報公開法に基づき情報公開請求をして審査基準を閲覧できる」というのは、間違っている。
4.誤り。
肢2参照。
つまり「審査基準を公にすることは法的義務」である(行政手続法5条3項)。
なお、同法10条1項は、「行政庁は、処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない。」と定めており、処分基準を公にすることは努力義務である点と比較しておく必要がある。
5.正しい。
肢2参照。
「行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、法令により申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない。」(行政手続法5条3項)。
つまり、公にしておかなければならないことの例外として「行政上特別の支障があるときを除き」と規定している。


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