行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成26年44問

行政法


問44 A市は、同市内に市民会館を設置しているが、その運営は民間事業者である株式会社Bに委ねられており、利用者の申請に対する利用の許可なども、Bによってなされている。住民の福利を増進するためその利用に供するために設置される市民会館などを地方自治法は何と呼び、また、その設置などに関する事項は、特別の定めがなければ、どの機関によりどのような形式で決定されるか。さらに、同法によれば、その運営に当たるBのような団体は、何と呼ばれるか。40字程度で記述しなさい。

解答例

公の施設と呼び、設置などはA市議会による条例で定められる。Bは指定管理者と呼ばれる。(42字)

解説

本問では、まず「①住民の福利を増進するためその利用に供するために設置される市民会館などを地方自治法は何と呼び、②どの機関により ③どのような形式で決定されるか。④同法によれば、その運営に当たるBのような団体は、何と呼ばれるか。という4点が問題となる。
①について
地方自治法244条1項括弧書きは、「普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設(これを公の施設という。)を設けるものとする。」と規定している。
つまり、普通公共団体が設ける、住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設を「公の施設」と呼んでいる。
②について
条例を設け又は改廃することは、普通地方公共団体の議会の議決による(地方自治法96条1項1号)。
③について
同法244条の2第1項は、「普通地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、公の施設の設置及びその管理に関する事項は、条例でこれを定めなければならない。」と規定している。
したがって、条例という形式で決定されることになる。
④について
同法244条の2第3項は、「普通地方公共団体は、公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは、条例の定めるところにより、法人その他の団体であつて当該普通地方公共団体が指定するもの(以下本条及び第二百四十四条の四において「指定管理者」という。)に、当該公の施設の管理を行わせることができる。」と規定している。
したがって、普通公共団体が指定した法人その他の団体を、「指定管理者」と呼んでいる


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