解答 行政書士試験 平成26年51問
一般知識
○:2.ア・ウ
○:2.ア・ウ
問51 核軍縮・核兵器問題への国際社会の対応に関する次のア~オの記述のうち、妥当でないものの組合せはどれか。
ア 包括的核実験禁止条約(CTBT)は、国連総会で採択され、その後、米中やインド・パキスタンを含む多くの国連加盟国が署名・批准を済ませ発効した。
イ 東南アジア・中南米・アフリカなどの地域では、非核兵器地帯を創設する多国間条約が締結されている。
ウ 冷戦中、米ソ両国は中距離核戦力(INF)の全廃に向けて何度も交渉を行ったが難航し、条約の締結までには至らなかった。
エ 核兵器非保有国への核兵器移譲や核兵器非保有国の核兵器製造を禁止する核拡散防止条約(NPT)では、米露英仏中の5ヵ国が核兵器保有国と規定されている。
オ 核拡散防止条約(NPT)では、核兵器非保有国の原子力(核)の平和利用は認められているが、軍事転用を防止するために国際原子力機関(IAEA)の査察を受ける義務を負う。
選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)
☓:1.ア・イ
○:2.ア・ウ
☓:3.イ・エ
☓:4.ウ・オ
☓:5.エ・オ
解説
ア.妥当でない。
包括的核実験禁止条約(CTBT)は、1996年に国連総会で採択されたが、アメリカ・イスラエル・イラン・エジプト・中華人民共和国は署名のみで批准していない。
また、インド・パキスタン・朝鮮民主主義人民共和国は署名すらしていないため、現在のところ、発効していない。
イ.妥当である。
非核兵器地帯を創設する多国間条約として、東南アジアでは、1995年に東南アジア非核兵器地帯条約(バンコク条約)が締結されている。
また、中南米では、1967年にラテンアメリカ及びカリブ核兵器禁止条約(トラテロルコ条約)が、アフリカでは、1996年にアフリカ非核兵器地帯条約(ペリンダバ条約)が締結されている。
ウ.妥当でない。
冷戦中、米ソ両国は、1987年に中距離核戦力(INF)として定義された中距離の弾道ミサイル、巡航ミサイルをすべて廃棄することを目的とした中距離核戦力全廃条約(INF全廃条約)を締結した。
エ.妥当である。
核兵器の不拡散に関する条約(NPT)、略称「核拡散防止条約」または「核不拡散条約」は、核軍縮を目的とする条約である。
当条約上で核兵器保有国と規定されているのはアメリカ合衆国、ロシア、イギリス、フランス、中華人民共和国の5か国である。
オ.妥当である。
核拡散防止条約(NPT)では、核兵器保有国に、核兵器の他国への譲渡の禁止、誠実に核軍縮交渉を行う義務を規定している。
また、核兵器を持たない非保有国については、核兵器の製造・取得の禁止、国際原子力機関(IAEA)による査察を受ける義務を定めており、原子力(核)の平和利用は認めている。
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