解答 行政書士試験 平成26年60問
一般知識 文章理解
○:2.イ→ア→エ→ウ
○:2.イ→ア→エ→ウ
問60 本文の後に続く文章をア~エを並べ替えて作る場合、順序として適当なものはどれか。
「響」は「郷+音」で成り立っています。「音が鳴りわたる」という意味から考えても、文字の構成要素に「音」が組み込まれているのは、いかにももっとも。なるほどと納得です。しかし、ではもうひとつの要素の「郷」はどういう由来なのでしょうか。(中略)
じつはこれは、ごちそうが並んだ食卓をはさんで二人の人が向き合っている姿を表しているのです。
今では「郷」というと、「故郷」とか「郷里」など、「さと」「ふるさと」「いなか」の意味合いで使うことがほとんどですが、もともとは「ごちそう+向かい合った人」が語源。そうした「郷」に「音」がプラスされたのが「響」です。(中略)ごちそうが置かれたテーブルをはさんだ人同士が、「ああだ、こうだ」と会話(=音)を交わしながら楽しく食事をしている情景を表しています。
(高橋政巳・伊東ひとみ「漢字の気持ち」より)
ア さらに「響」という字の「音」の部分を「食」に替えたら、「饗宴」の「饗」となり、ごちそうでもてなすという意味を表します。
イ そこからこの字には、ごちそうを一緒に食べ会話をやりとりすることで、音だけでなく「心が伝わる」という意味合いが含まれます。だから「胸に響く言葉」といえば、心に沁み入って感銘を与える言葉という意味になるわけです。
ウ ごちそうを一緒に食べれば、会話も弾む。心も弾む。みんなでワイワイと仲良く食事をすれば、ごちそうならずとも何だっておいしく感じます。自然とみんなの顔もほころんで、楽しく幸せな気持ちになるというもの。「響」の古代漢字をながめていると、そんな和気あいあいとした食卓の風景が目に浮かんできます。
エ 食というのは、生きていくうえでもっとも基本となる大事な行為。その食をともにすることで、相手を知り、自分を伝えるというのは、コミュニケーションの原点といっても過言ではないでしょう。便利な現代社会にあっては、用件だけなら電話やメールでも伝わります。けれども、やはり直接顔を合わせて話をするのに勝るコミュニケーションはありません。さらに一緒に食事をしたならば、気持ちもほぐれお互いの距離もぐっと縮まります。
選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)
☓:1.ア→ウ→イ→エ
○:2.イ→ア→エ→ウ
☓:3.イ→ウ→エ→ア
☓:4.ウ→イ→ア→エ
☓:5.エ→ウ→イ→ア
解説
本文の最後の段落では、「響」という字について、「ごちそうが置かれたテーブルをはさんだ人同士が『ああだ、こうだ』と会話(=音)を交わしながら楽しく食事をしている情景を表しています」と説明されている。
よって、冒頭には、この説明を受けて、「響」という文字について説明した文章がくると推測される。
そこで、選択肢を見ると、「そこからこの字には、ごちそうを一緒に食べ会話をやりとりすることで、音だけでなく『心が伝わる』という意味合いが含まれます」という文章から始まる肢イが「響」という文字について説明したものであるとわかる。
よって、冒頭には、肢イがくる。
次に、「さらに『響』という字の『音』の部分を『食』に替えたら……」から始まる肢アが、それまでの「響」という字についての説明を受けて、そこから派生する内容を記しているから、肢イに続く文章としてふさわしい。
そして、本文と肢イ、アは、いずれも食事に関係する文字について説明したものであるから、「食というのは、……」と「食」の意義について述べた肢エが、それまでの記述を受けた文章として続くと考えられる。 最後に、「ごちそうを一緒に食べれば、……」から始まる肢ウが、肢エの最後の「さらに一緒に食事をしたならば、……」を受けていると考えられるので、ウ→エと続くとわかる。
また、肢ウの最後の「『響』の古代漢字をながめていると、そんな和気あいあいとした食卓の風景が目に浮かんできます」という文章も、「響」について論じてきた文章のまとめとしてふさわしい。
以上により、本文の後に続く文章は「イ→ア→エ→ウ」となり、したがって、正解は肢2となる。
なお、本問については、結論を考えてみるのも1つの解決方法かと思われる。
結論がウであることが分かった人には、結論としてウが最後となっているのは、肢2しかないので容易に解答が導けたであろう。
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