解答 行政書士試験 平成28年5問
国会
○:2.内閣は、法律案を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。
○:2.内閣は、法律案を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。
問5
立法に関する次の記述のうち、必ずしも憲法上明文では規定されていないものはどれか。
選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)
☓:1.出席議員の5分の1以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。
○:2.内閣は、法律案を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。
☓:3.両議院の議員は、議院で行った演説、討論または表決について、院外で責任を問われない。
☓:4.両議院は、各々その総議員の3分の1以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
☓:5.衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
解説
1.明文で規定されている。
憲法第57条第3項は、「出席議員の5分の1以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。」と規定されている。憲法の条文は前文と103条の短い本文があるだけであるから、全部記憶する必要がある。記憶していれば、取りこぼしはない。
2.明文で規定されていない。
行政権は、内閣に属する(憲法第65条)と規定されており、立法権は「国会」の役割である(国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である-憲法第41条)。
しかし、我が国では、法律案の大半を行政権が国会に提出して、その審議を受け、議決を経て法律としている。このことは憲法に明文で規定されているわけではない。憲法は三権分立を採用しているのであるから、行政権が立法の一部の役割を果たさないことを考えると、この肢の内容は規定されていないことが分かるであろう。
3.明文で規定されている。
本肢の「両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問われない。」は、憲法第51条に規定している。
なお、あくまで「院外」で責任を問われないのであって、「院内」では責任を問われることがあることに注意。
4.明文で規定されている。
本肢の「両議院は、各々その総議員の3分の1以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。」は、憲法第56条第1項に規定されている。
なお、この数字は議事を開き議決することができる数字である。議決数については、「両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる」(憲法第56条第2項)と規定されている。
5.明文で規定されている。
本肢の「衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、法律となる。」は、憲法第59条第2項に規定されている。
なお、法律案は本肢の通りであるが、予算案・条約案については、「予算については、参議院で衆議院と異なった議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算(条約)を受け取った後、国会休会中の期間を除いて30日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。」(憲法第60条第2項)。この条文は、条約の締結に必要な国会の承認について準用されている(憲法第61条)。
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