解答 行政書士試験 平成28年51問
一般知識
○:5,朝鮮戦争により、衣料調達や武器補修などの特需が起こったことから、繊維産業や金属工業を中心に生産水準が回復した。
○:5,朝鮮戦争により、衣料調達や武器補修などの特需が起こったことから、繊維産業や金属工業を中心に生産水準が回復した。
問51
日本の戦後復興期の経済に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)
☓:1.石炭・石油・鉄鋼・造船に対する傾斜生産方式が導入され、これにより生産の回復が図られた。
☓:2,ドッジラインにより、景気回復に向けて国債発行を通じた積極的な公共事業が各地で実施されるとともに、賃金・物価統制を通じて、インフレの収束が図られた。
☓:3,輸出拡大を目指して、日本銀行による円安方向への為替介入が行われ、為替レートは1ドル=360円の水準維持が図られた。
☓:4,シャウプ勧告を受けて、企業の資本蓄積を促進するために、法人税率の引下げが行われた。
○:5,朝鮮戦争により、衣料調達や武器補修などの特需が起こったことから、繊維産業や金属工業を中心に生産水準が回復した。
解説
1.妥当でない。
傾斜生産方式とは、第二次世界大戦後、GHQによる占領行政下にあった日本における経済復興のために実行された経済政策である。統制経済の一環とも位置づけられる。それは、当時の基幹産業である鉄鋼、石炭に資材・資金を超重点的に投入し、両部門相互の循環的拡大を促し、それを契機に産業全体の拡大を図るというものであった。したがって、ここには、石油・造船は、入らない。
2.妥当でない。
ドッジラインは、戦後占領期の1949年2月に、日本経済の自立と安定とのために実施された財政金融引き締め政策である。確かにインフレは収まったが、国債発行を通じて景気回復を図ったものではない。
3.妥当でない。
確かに、本肢のいうように360円時代が続いた。これは、1944年に取り決められたブレトン・ウッズ協定によって、金為替本位制が採用され、アメリカがドルの金兌換を保障し、各国は固定相場を維持できるよう国際収支調整を行うという体制によって、戦後25年間にわたって安定した国定為替相場の時代が続いたためである。本肢のいうように、日本銀行による円安方向への為替介入が行われたからではない。
4.妥当でない。
シャウプ使節団日本税制報告書(通称シャウプ勧告)は、GHQの要請によって1949年に結成された。確かに、法人税率の引き下げが行われたが、それは、企業の資本蓄積を促進するためにしたものではない。
5.妥当である。
朝鮮戦争が起こったのは、1950年であるが、その当時の日本は戦後の混乱から抜け出せずにいた。しかし、この朝鮮特需により、衣料調達や武器修復等の要請が起こったため、繊維産業や金属工業を中心に生産水準が回復した。
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