行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成29年1問

基礎法学

○:ア罪刑法定主義イ構成要件ウ違法エ瀧川


問1 ア ]~[ エ ]に当てはまる語句の組合せとして、妥当なものはどれか。

「『犯罪論序説』は[ ア ]の鉄則を守って犯罪理論を叙述したものである。それは当然に犯罪を[ イ ]に該当する[ ウ ]・有責の行為と解する概念構成に帰着する。近頃、犯罪としての行為を[ イ ]と[ ウ ]性と責任性とに分ちて説明することは、犯罪の抽象的意義を叙述したまでで、生き生きとして躍動する生の具体性を捉えて居ないという非難を受けて居るが、…(中略)…[ イ ]と[ ウ ]性と責任性を区別せずして犯人の刑事責任を論ずることは、いわば空中に楼閣を描くの類である。私はかように解するから伝統的犯罪理論に従い、犯罪を[ イ ]に該当する[ ウ ]・有責の行為と見、これを基礎として犯罪の概念構成を試みた。
本稿は、京都帝国大学法学部における昭和7-8年度の刑法講義の犯罪論の部分に多少の修正を加えたものである。既に『公法雑誌』に連載せられたが、このたび一冊の書物にこれをまとめた。」
以上の文章は、昭和8年に起きたいわゆる[ エ ]事件の前年に行われた講義をもとにした[ エ ]の著作『犯罪論序説』の一部である(旧漢字・旧仮名遣い等は適宜修正した。)。

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

○:ア罪刑法定主義イ構成要件ウ違法エ瀧川

☓:ア 自由主義 イ形成要 ウ相当 エ矢内原

☓:ア罪刑専断主義 イ侵害要件 ウ違法 エ澤柳

☓:ア責任主義 イ構成要件 ウ違法 エ矢内原

☓:ア罪刑法定主義 イ侵害要件 ウ必要 エ瀧川

解説

ア.罪刑法定主義が入る。
罪刑法定主義とは、罪と刑とが法律により定まっている制度である。
『犯罪論序説』とは、瀧川幸辰(京都大学教授-刑法)著の刑法の教科書である。
通説によると犯罪は、「(法律によって定まっている)構成要件に該当し」「違法」でありかつ「責任がある(有責)」行為でなければならない。
責任があるというのは、その行為の結果をその行為を行った人に問えるかの問題である。
イ.構成要件が入る。
上記アのうち、「構成要件」について問うている。例えば、日本刑法は殺人罪の構成要件を「人を殺したる者」と規定している(刑法199条)。したがって、例えば、「マネキン」は人でないからそれを壊しても「殺人罪」の構成要件には該当しない。
ウ.違法が入る。
上記アを参照。違法というのは、社会秩序に違反するというぐらいの意味だと思っていただきたい。たとえば、AがBに殴りかかったので、Bが応戦しAが負傷した場合、Bの行為は正当防衛とされる可能性が高く、正当防衛が認められれば、違法性が阻却され、無罪となる。
エ.瀧川が入る。
これは、中学ぐらいに習ったと思われる「瀧川事件」である。京都大学の教授であった瀧川氏に対し、文部省が処分した事件である。いわゆる赤狩りとみて差し支えない。ことは、瀧川教授に限らなかった。思想弾圧事件といえよう。上記にアにも書いたが、「犯罪論序説」を著したのは瀧川幸辰教授である。


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