解答 行政書士試験 平成29年36問
商法
○:2,店舗によって物品を販売することを業とする者は、商行為を行うことを業としない者であっても、商人とみなされる。
○:2,店舗によって物品を販売することを業とする者は、商行為を行うことを業としない者であっても、商人とみなされる。
問36
商人および商行為に関する次の記述のうち、商法の規定に照らし、正しいものはどれか。
選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)
☓:1.商人とは、自己の計算において商行為をすることを業とする者をいう。
○:2,店舗によって物品を販売することを業とする者は、商行為を行うことを業としない者であっても、商人とみなされる。
☓:3,商人の行為は、その営業のためにするものとみなされ、全て商行為となる。
☓:4,商法は一定の行為を掲げて商行為を明らかにしているが、これらの行為は全て営業としてするときに限り商行為となる。
☓:5,商行為とは、商人が営業としてする行為または営業のためにする行為のいずれかに当たり、商人でない者の行為は、商行為となることはない。
解説
商法の問題は条文のまま出題されることが多く、本問もその典型である。条文の読み込み学習を怠らないで欲しい。
1.誤り。
条文によると「『商人』とは、自己の名をもって商行為をすることを業とする者をいう」と規定されている(商法4条1項)。
したがって、「自己の計算において」商行為をすることを業とする者が商人であるとする本肢は誤り。
2.正しい。
条文によると「店舗その他これに類似する設備によって物品を販売することを業とする者又は鉱業を営む者は、商行為を行うことを業としない者であっても、これを商人とみなす」と規定されている(商法4条2項)。「擬制商人」と呼ばれる者のことである。
本来は商行為(商法501条、502条参照)をすることを業とする者が商人であるが、それ以外の者も商人とみなし、商法の適用を認めるのが商法4条2項である。「店舗その他これに類似する設備によって物品を販売」していたら、第三者の目には商人であると映るため、その者は証人として扱い、商法を適用するべきであろう。「鉱業を営む」のであれば、相当な規模であるため、その者は商人として扱い、やはり商法を適用すべきであろう。
したがって、本肢は正しい。
3.誤り。
条文によると、「商人がその営業のためにする行為は、商行為とする。商人の行為は、その営業のためにするものと推定する」と規定されている(商法503条1項2項)。
「みなす」ではなく「推定する」である。「みなす」と「推定する」という言葉のそれぞれの意味については、平成24年-問2を参照のこと。
したがって、本肢は誤り。
4.誤り。
基本的商行為と呼ばれる商行為は、絶対的商行為と営業的商行為に分けることができる。
まず営業的商行為だが、条文によると、「次に掲げる行為は、営業としてするときは、商行為とする」と規定されている(商法502条参照)。
一方で絶対的商行為については、「次に掲げる行為は、商行為とする」と規定されており(商法501条参照)、絶対的商行為は、「営業としてしなくても」商行為にあたる。絶対的商行為は、営利性が極めて強い行為であるため、営業としてしなくても商行為にあたるのである。
したがって本肢は誤り。
5.誤り。
肢4にて触れた絶対的商行為は、誰が行っても商行為となる。商法501条に掲げられた各行為は、営利性が極めて強いためである。
したがって本肢は誤り。
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