解答 行政書士試験 平成29年5問
憲法
○:4,法律および政令には、その執行責任を明確にするため、全て主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする。
○:4,法律および政令には、その執行責任を明確にするため、全て主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする。
問5
内閣に関する次の記述のうち、憲法の規定に照らし、妥当なものはどれか。
選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)
☓:1.内閣総理大臣は、国会の同意を得て国務大臣を任命するが、その過半数は国会議員でなければならない。
☓:2,憲法は明文で、閣議により内閣が職務を行うべきことを定めているが、閣議の意思決定方法については規定しておらず、慣例により全員一致で閣議決定が行われてきた。
☓:3,内閣の円滑な職務遂行を保障するために、憲法は明文で、国務大臣はその在任中逮捕されず、また在任中は内閣総理大臣の同意がなければ訴追されない、と規定した。
○:4,法律および政令には、その執行責任を明確にするため、全て主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする。
☓:5,内閣の存立は衆議院の信任に依存するので、内閣は行政権の行使について、参議院に対しては連帯責任を負わない。
解説
1.妥当でない。
憲法68条1項は「内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。ただし、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。」と規定している。本肢のような国会の同意は不要である。
2.妥当でない。
憲法には、閣議についての規定はない。したがって、憲法に閣議により内閣が職務を行うことを定めているという記述は間違いである。後半の閣議が慣例により全員一致で閣議決定が行われてきたという記述は妥当である。
3.妥当でない。
憲法75条は「国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。ただし、これがため、訴追の権利は、害されない。」と規定している。本肢のように、「国務大臣の逮捕」については、憲法の明文で規定がなされていない。この国務大臣の逮捕については争いがあるが、通説は、逮捕の場合も内閣総理大臣の同意が必要であるとする。
4.妥当である。
憲法74条には「法律及び政令には、すべて主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする。」と規定されている。確かに、主幹の国務大臣には、主に政令については制定責任も同時に規定されていると考えられているため、執行責任にしか言及がないのは正しくないようにも思える(内閣総理大臣の連署は、制定責任だけではなく、主に執行責任を意味しているといえる)。
以上より、本肢は正確ではないが、他の肢に比べて妥当であるとすべきであろう。
5.妥当でない。
憲法66条3項には、「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負う。」と規定している。したがって、本肢の参議院に対して連帯責任を負わないとする記述は妥当でない。なお、憲法42条は、「国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。」と規定している。
この問題の成績
まだ、データがありません。