解答 行政書士試験 平成26年46問
民法
問46 Xは、甲土地をYに対して売却する契約(以下、「本件契約」という。)を締結したが、Xは、本件契約時において、売却した甲土地はAが所有するものであってXに属しないことを知らなかった。その後、Xは、Aに対して甲土地の売却を申し入れたが、拒絶されたため、結局、その所有権を取得してYに移転することができなかった。このような場合において、善意の売主Xは、買主Yに対し、本件契約を解除する旨の意思表示をしたい。解除にあたって、本件契約時に甲土地の所有権がXに属しないことについて、Yが悪意のときは、どのようなことをし、Yが善意のときは、それに加えてどのようなことをすればよいか。「Yが悪意のときは、」および「Yが善意のときは、それに加えて、」に続けて、民法の規定を踏まえて、それぞれ10字~20字程度で記述しなさい(「Yが悪意のときは、」および「Yが善意のときは、それに加えて、」は、記述すべき字数に含まれない)。
解答例
(Yが悪意のときは、) 甲土地の所有権を移転できない旨、Yに通知する。(23字) (Yが善意のときは、それに加えて) Yに損害があれば、その損害を賠償する。(19字)解説
・悪意のとき
562条2項は、「買主が契約の時においてその買い受けた権利が売主に属しないことを知っていたときは、売主は、買主に対し、単にその売却した権利を移転することができない旨を通知して、契約の解除をすることができる。」と規定している。
2項の「売却した権利」は、「甲地の所有権」であるからその旨を記述する必要がある。
・善意のとき
562条1項は、「売主が契約の時においてその売却した権利が自己に属しないことを知らなかった場合において、その権利を取得して買主に移転することができないときは、売主は、損害を賠償して、契約の解除をすることができる。」と規定する。
1項の「損害を賠償して」の部分は、当たり前であるが、損害がなければ、損害を賠償する必要はない。
本問は条文の問題であるから、点数を稼ぐチャンスであったが、「解除」に重きを置いた記述が多い。解除することは問題文から前提として読み取れる。
本問では「解除にあたって」何をするべきかを問われているのである。
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