行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成24年57問

一般知識

○:2.ア・オ


問57 地方公共団体の行政機関における個人情報の保護に関する次のア~オの記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
(注)*1 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律
  *2 個人情報の保護に関する法律
  *3 独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律

ア 行政機関個人情報保護法*1の一部の規定は、国の行政機関のみならず、地方公共団体の行政機関に対しても適用される。
イ 個人情報保護法*2において基本理念を掲げる規定は、地方公共団体の行政機関に対しても適用される。
ウ 地方公共団体は、法律の委任を受けずに、個人情報の保護に関する条例を定めることが可能であり、また、その内容は、地方公共団体ごとに異なってもよい。
エ 地方公共団体は、その保有する個人情報の適正な取扱いが確保されるよう必要な措置を講ずるように努めることが、個人情報保護法上求められている。
オ 地方公共団体は、個人情報の保護に関する条例を定めることが可能であるが、その職員に対する処罰については独立行政法人等個人情報保護法*3が適用される。

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

☓:1.ア・イ

○:2.ア・オ

☓:3.イ・ウ

☓:4.ウ・エ

☓:5.エ・オ

解説

ア.誤り。
個人情報保護制度では、個人情報保護法の第1章~第3章がこの制度の「基本法」の役割を担う。
そして、「民間部門」として、個人情報保護法4章以下、「公的部門」として、国の行政機関は行政機関個人情報保護法、独立行政法人は独立行政法人個人情報保護法、地方公共団体は各個人情報保護条例が対応する構成になっている。
そのため、行政機関個人情報保護法の「行政機関」の定義には、独立行政法人や地方公共団体の行政機関は含めていない(行政機関個人情報保護法第2条1項参照)。
したがって、行政機関個人情報保護法は、地方公共団体の行政機関に対しては適用されない。
イ.正しい。
肢アで説明したように個人情報保護法の第1章~第3章は、個人情報保護制度の基本法的役割を担う。
そして、基本理念の規定は、第1章3条におかれている。
したがって、地方公共団体の行政機関に対しても適用される。
なお、個人情報保護法第3条は「個人情報は、個人の人格尊重の理念の下に慎重に取り扱われるべきものであることにかんがみ、その適正な取扱いが図られなければならない。」と定めている。
ウ.正しい。
肢アで説明したように、この制度では、各地方公共団体は個人情報保護条例を定めることになっている。
したがって、地方公共団体は、法律の委任を受けずに、個人情報保護条例を制定でき、また、その内容は、地方公共団体ごとに異なってもよい。
なお、それを現す規定の一つとして、個人情報保護法第5条は「地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、その地方公共団体の区域の特性に応じて、個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。」としている。
エ.正しい。
地方公共団体は、その保有する個人情報の性質、当該個人情報を保有する目的等を勘案し、その保有する個人情報の適正な取扱いが確保されるよう必要な措置を講ずることに努めなければならない(個人情報保護法第11条1項)。
オ.誤り。
肢アで説明したように、個人情報保護制度の公的部門は「国の行政機関」、「独立行政法人」、「地方公共団体」の3つに区分されており、そのそれぞれに対応する法令があるので、この区分を超えての適用は原則としてされない。


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