解答 行政書士試験 平成21年2問
基礎法学
○:2.支援センターは、利用者から個別の依頼に応じて、法的紛争の解決方法について指導および助言を無料で行い、利用者の資力が十分でない場合には、弁護士等の中から適当な者を紹介して、その報酬および費用を支払う業務を行う。
○:2.支援センターは、利用者から個別の依頼に応じて、法的紛争の解決方法について指導および助言を無料で行い、利用者の資力が十分でない場合には、弁護士等の中から適当な者を紹介して、その報酬および費用を支払う業務を行う。
問2
「日本司法支援センター」(いわゆる「法テラス」のこと。以下、「支援センター」とする。)の業務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)
☓:1.支援センターは、利用者からの問合せに応じて、裁判等の法的紛争を解決するための法制度に関する情報、弁護士や隣接法律専門職者(以下、弁護士等という。)の業務および弁護士会や隣接法律専門職者の団体の活動に関する情報を無料で提供する業務を行う。
○:2.支援センターは、利用者から個別の依頼に応じて、法的紛争の解決方法について指導および助言を無料で行い、利用者の資力が十分でない場合には、弁護士等の中から適当な者を紹介して、その報酬および費用を支払う業務を行う。
☓:3.支援センターは、刑事事件の被告人または被疑者に国選弁護人を付すべき場合において、裁判所からの求めに応じて国選弁護人の候補を指名して通知を行い、選任された国選弁護人にその事務を取り扱わせて、その報酬および費用を支払う業務を行う。
☓:4.支援センターは、いわゆる司法過疎地において、利用者からの個別の依頼に応じ、相当の対価を得て、適当な弁護士等に法律事務を取り扱わせる業務を行う。
☓:5.支援センターは、犯罪の被害者やその親族等に対して、刑事手続への適切な関与やその損害または苦痛の回復・軽減を図るための制度その他被害者やその親族等の援助を行う団体等の活動に関する情報を無料で提供する業務を行う。
解説
1.正しい。
支援センターは、「裁判その他の法による紛争の解決のための制度の有効な利用に資するもの」及び「弁護士、弁護士法人及び隣接法律専門職者の業務並びに弁護士会、日本弁護士連合会及び隣接法律専門職者団体の活動に関するもの」の情報及び資料を収集して整理し、情報通信の技術を利用する方法その他の方法により、一般の利用に供し、又は個別の依頼に応じて提供する(総合法律支援法30条1項1号)。
2.誤り。
支援センターは、法律相談を取り扱うことを業とすることができる者による法律相談を実施することは業務となっているが(総合法律支援法30条1項2号ハ)、同条3項では、「支援センターが前2項の業務として契約弁護士等に取り扱わせる事務については、支援センターがこれを取り扱うことができるものと解してはならない。」と規定している。したがって、本肢は支援センター自らが「法的紛争の解決方法について指導および助言」を行なうと読み取れるので、この点が適切な表現とは言えない。また、本肢は「利用者の資力が十分でない場合には・・・その報酬および費用を支払う」としているが、支援センターは「報酬および費用を立替える」にすぎないため(立て替えた金銭は、利用者が後で支払う必要がある。)、この点も適切な表現ではない(総合法律支援法30条1項1号)。
3.正しい。
支援センターは、刑事事件の被告人または被疑者に国選弁護人を付すべき場合において、裁判所等からの求めに応じて国選弁護人等契約弁護士の中から、国選弁護人の候補を指名して裁判所等へ通知を行い、選任された国選弁護人にその事務を取り扱わせる業務を行なっている(総合法律支援法30条1項3号)。また、当該国選弁護人等に対して、国選弁護人等及び国選被害者参加弁護士の事務に関する契約約款に基づいて、その報酬および費用を支払う業務を行っている (同法第36条、39条)。
4.正しい。
支援センターは、弁護士、弁護士法人又は隣接法律専門職者がその地域にいないことその他の事情によりこれらの者に対して法律事務の取扱いを依頼することに困難がある地域において(司法過疎地)、その依頼に応じ、相当の対価を得て、適当な契約弁護士等に法律事務を取り扱わせる(総合法律支援法30条1項4号)。
5.正しい。
支援センターは、犯罪の被害者やその親族等に対して、刑事手続への適切な関与及び被害者等が受けた損害又は苦痛の回復又は軽減を図るための制度その他の被害者等の援助に関する制度、それを行う団体その他の者の活動に関する情報を提供する業務を行う(総合法律支援法30条1項5号)。また、本規定では、同項4号にある、「相当の対価を得て」という文言がないため、当該業務は、無料で提供する業務と解されている。
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