解答 行政書士試験 平成22年14問
行政不服審査法
○:3.代理人は、不服申立人のために、当該不服申立てに関する一切の行為をすることができるが、不服申立ての取下げについては特別の委任を要する。
○:3.代理人は、不服申立人のために、当該不服申立てに関する一切の行為をすることができるが、不服申立ての取下げについては特別の委任を要する。
問14
行政不服審査法に基づく不服申立てに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)
☓:1.不服申立ては、他の法律や条例において書面でしなければならない旨の定めがある場合を除き、口頭ですることができる。
☓:2.不服申立ては、代理人によってもすることができるが、その場合は、不服申立人が民法上の制限行為能力者である場合に限られる。
○:3.代理人は、不服申立人のために、当該不服申立てに関する一切の行為をすることができるが、不服申立ての取下げについては特別の委任を要する。
☓:4.処分について不服申立適格を有するのは、処分の相手方に限られ、それ以外の第三者は、法律に特別の定めがない限り、不服申立適格を有しない。
☓:5.行政不服審査法に基づく不服申立ては、行政庁の処分の他、同法が列挙する一定の行政指導についても行うことができる。
解説
1.誤り。
行政不服審査法に基づく不服申立ては、他の法律(条例に基づく処分については、条例を含む。)に口頭ですることができる旨の定めがある場合を除き、書面を提出してしなければならない(行政不服審査法第9条1項)。
したがって、本肢は「口頭」と「書面」が逆になっている。
2.誤り。
不服申立ては、代理人によってすることができるとされているが(行政不服審査法第12条1項)、その趣旨は、不服申立人の能力補充だけでなく、円滑な手続進行を図ることにもあるため、特に選出できる場合の制限はされていない。
したがって、不服申立人が民法上の制限行為能力者である場合に限られない。
3.正しい。
代理人は、各自、不服申立人のために、当該不服申立てに関する一切の行為をすることができる。ただし、不服申立ての取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができる(行政不服審査法第12条2項)。
4.誤り。
行政不服審査法では、不服申立適格に関する規定は設けてないが、判例はその対象を「不服申立をする法律上の利益がある者、すなわち、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者」(主婦連ジュース訴訟:最判昭和53年3月14日)としており、当該判例により、行政不服審査法の不服申立適格は、行政事件訴訟法における原告適格と同一であると解されている。
したがって、処分について不服申立適格を有するのは、処分の相手方に限られたものではなく、不服申立てをする法律上の利益がある者であれば、処分の相手方以外の第三者であっても不服申立適格を有する。
5.誤り。
行政不服審査法における不服申立ての対象は、行政庁の処分又は不作為であるが(行政不服審査法第1条~4条参照)、行政指導は処分ではないため(行政手続法第2条6号)、原則として行政不服審査法に基づく不服申立てを行なうことはできない。
また、行政不服審査法は、前身である訴願法で採用していた列挙主義ではなく、一般概括主義を採用しているため、不服申立てができるものを列挙してない。
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