行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成22年21問

地方自治法

○:2.公の施設の設置および管理に関する事項について、法律またはこれに基づく政令、特別の定めがない場合には、地方公共団体の長が規則でこれを定めなければならない。


問21

公の施設に関する次の記述のうち、法令または最高裁判所の判例に照らし、誤っているものはどれか。

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

☓:1.地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的であれば、その区域外においても公施設を設けることができる。

○:2.公の施設の設置および管理に関する事項について、法律またはこれに基づく政令、特別の定めがない場合には、地方公共団体の長が規則でこれを定めなければならない。

☓:3.公の施設の利用関係において、一定の地方税の負担をしているような「住民に準ずる地位にある者」には、住民と同様に、不当な差別的取扱いの禁止を定めた地方自治法244条3項の規律が及ぶ。

☓:4.指定管理者に公の施設を管理させようとする場合、地方公共団体は条例でその旨を定めなければならず、長の規則によってこれを定めることはできない。

☓:5.県知事がした公の施設の利用不許可処分に不服がある者は、総務大臣に審査請求をすることもできるし、県知事に異議申立てをすることもできる。

解説

1.正しい。
公の施設とは、住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設をいい(地方自治法第244条1項)、普通地方公共団体は、その区域外においても、関係普通地方公共団体との協議により、公の施設を設けることができる(地方自治法第244条の3第1項)。
2.誤り。
普通地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、公の施設の設置及びその管理に関する事項は、条例でこれを定めなければならない(地方自治法第244条の2第1項)。
これは、公の施設の運営に関し、民主的コントロールを及ぼすために、議会で決定する条例で定めることを要するという趣旨である。
したがって、地方公共団体の長が規則で定めることはできない。
3.正しい。
普通地方公共団体の住民ではないが、その区域内に事務所、事業所又は家屋敷等を有し、当該普通地方公共団体に対し地方税を納付する義務を負う者など住民に準ずる地位にある者による公の施設の利用については、当該公の施設の性質やこれらの者と当該普通地方公共団体との結び付きの程度等に照らし合理的な理由なく差別的取扱いをすることは、公の施設の利用について不当な差別的取扱いの禁止を定めた地方自治法第244条3項に違反する(最判平成18年7月14日)。
4.正しい。
普通地方公共団体は、公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは、条例の定めるところにより、指定管理者に、当該公の施設の管理を行わせることができる(地方自治法第244条の2第3項)。
これは、公の施設の運営に関し、民主的コントロールを及ぼすために、議会で決定する条例で定めることを要するという趣旨である。
したがって、指定管理者に公の施設を管理させようとする場合、長の規則によってこれを定めることはできない。
5.正しい。
普通地方公共団体の長がした公の施設を利用する権利に関する処分に不服がある者は、都道府県知事がした処分については総務大臣、市町村長がした処分については都道府県知事に審査請求をすることができる。この場合においては、異議申立てをすることもできる(地方自治法第244条の4第1項)。
したがって、県知事がした公の施設の利用不許可処分への不服申立ては、審査請求は総務大臣に、異議申立ては県知事にすることになる。
なお、本肢は、まるで不服申立人は、審査請求と異議申立てを自由に選択できる(自由選択主義)かのように表現しているが、この場合、行政不服審査法第20条が適用されるため、異議申立ての決定を経た後でなければ、審査請求はできない(異議申立前置主義)点に注意されたい。


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