解答 行政書士試験 平成22年55問
一般知識
○:2.この法律では、情報の発信は不特定の者に対するものでなければならないので、特定人のみを相手とする通信は適用の対象とならず、ウェブサイトでの公開のような情報の発信が適用の対象となる。
○:2.この法律では、情報の発信は不特定の者に対するものでなければならないので、特定人のみを相手とする通信は適用の対象とならず、ウェブサイトでの公開のような情報の発信が適用の対象となる。
問55 次のうち、いわゆる「プロバイダ責任制限法(*)」についての記述として、妥当なものはどれか。
(注) * 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律
選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)
☓:1.この法律は、たとえば他人のID、パスワード等を不正に利用するなど、ネットワークを利用したなりすまし行為などについて、権利侵害の存否を問わずこれを防止する責任を、プロバイダについて軽減している。
○:2.この法律では、情報の発信は不特定の者に対するものでなければならないので、特定人のみを相手とする通信は適用の対象とならず、ウェブサイトでの公開のような情報の発信が適用の対象となる。
☓:3.この法律は、青少年のインターネット利用環境の整備の観点から、政府があらかじめ政令で有害情報に分類・指定したサイトへのアクセスを遮断しても、プロバイダは、特例として、法的責任を負わないものとするものである。
☓:4.この法律は、プロバイダに加えて、インターネットの掲示板に書き込みをする者、書き込みを閲覧する者についても責任を認めており、責任の程度は制限しているが、責任を負う者の範囲を制限しているわけではない。
☓:5.この法律は、インターネットの掲示板に自己の名誉を毀損する書き込みがなされたと主張する者から、書き込んだ者の情報(発信者情報)の開示請求を受けた場合、プロバイダが迅速に無条件で開示に応じることができるように、プロバイダの損害賠償責任を制限している。
解説
1.妥当でない。
プロバイダ責任制限法は、特定電気通信による情報の流通によって権利の侵害があった場合について、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示を請求する権利につき定めており(プロバイダ責任制限法第1条)、なりすまし行為などの防止する責任を軽減する規定はおいてない。
なお、ID、パスワード等を不正に利用するなどの行為については、不正アクセス禁止法で定めている分野である。
2.妥当である。
プロバイダ責任制限法は、特定電気通信による情報の流通によって権利の侵害があった場合についてを定めており(プロバイダ責任制限法第1条)、ここに言う「特定電気通信」とは、不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信の送信のことであるため(プロバイダ責任制限法第2条1号)、特定人のみを相手とする通信は適用の対象とならず、インターネットでのウェブサイトや電子掲示板での公開のような情報の発信が適用の対象となる。
3.妥当でない。
プロバイダ責任制限法では、青少年への有害情報に関する規定はおいてない。
なお、青少年への有害情報に関する規制は、青少年ネット規制法で対応している分野であるが、政府があらかじめ政令で有害情報に分類・指定はしておらず、分類は民間に委ねられている。
4.妥当でない。
プロバイダ責任制限法では、掲示板に書き込みをする者及び書き込みを閲覧する者についての責任については規定していない。
5.妥当でない。
インターネットの掲示板に自己の名誉を毀損する書き込みがなされたと主張する者から、書き込んだ者の情報(発信者情報)の開示請求を受けた場合、プロバイダは、侵害情報の流通によって当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかで、且つ、当該発信者情報が当該開示の請求をする者の損害賠償請求権の行使のために必要である場合その他発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるときに限り、開示することになる(プロバイダ責任制限法第4条1項)。
また、開示するにあたっては、当該開示の請求に係る侵害情報の発信者と連絡することができない場合その他特別の事情がある場合を除き、開示するかどうかについて当該発信者の意見を聴かなければならない(プロバイダ責任制限法第4条2項)。
したがって、「迅速に無条件で開示に応じることができるように」とは、されていない。
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