解答 行政書士試験 平成23年22問
地方自治法
○:3.執行機関として置かれる委員会は、法律の定めるところにより法令又は当該普通地方公共団体の条例若しくは規則に違反しない限りにおいて、規則その他の規程を定めることができる。
○:3.執行機関として置かれる委員会は、法律の定めるところにより法令又は当該普通地方公共団体の条例若しくは規則に違反しない限りにおいて、規則その他の規程を定めることができる。
問22
地方自治法の規定する普通地方公共団体の執行機関に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)
☓:1.地方自治法は、普通地方公共団体にその執行機関として普通地方公共団体の長の外、条例の定めるところにより、委員会又は委員を置くと規定している。
☓:2.地方自治法における執行機関は、行政官庁の命を受け、実力をもって執行することを任務とする機関をいう。
○:3.執行機関として置かれる委員会は、法律の定めるところにより法令又は当該普通地方公共団体の条例若しくは規則に違反しない限りにおいて、規則その他の規程を定めることができる。
☓:4.普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の執行機関相互の間にその権限の帰属につき疑義が生じたときは、自らその権限を行使することができる。
☓:5.執行機関としての長、委員会及び委員は、一定の場合、議会において議決すべき事件について専決処分を行うことができる。
解説
1.誤り。
普通地方公共団体にその執行機関として普通地方公共団体の長の外、法律の定めるところにより、委員会又は委員を置く(地方自治法第138条の4第1項)。
したがって、「条例の定めるところにより」としている点が誤りである。
2.誤り。
本肢の「行政官庁の命を受け、実力をもって執行することを任務とする機関」は、行政法学上の執行機関(警察官、消防署員、自衛官など)の説明である。
地方自治法上の執行機関とは、普通地方公共団体の事務を、自らの判断と責任において、誠実に管理し及び執行する義務を負っている機関のことで(地方自治法第138条の2)、普通地方公共団体の長のほか、法律の定めるところにより置かれる委員会又は委員(いわゆる行政委員会のことで、例えば教育委員会、公安委員会、選挙管理委員会、監査委員など)が該当する(地方自治法第138条の4第1項)。
3.正しい。
普通地方公共団体の委員会は、法律の定めるところにより、法令又は普通地方公共団体の条例若しくは規則に違反しない限りにおいて、その権限に属する事務に関し、規則その他の規程を定めることができる(地方自治法第138条の4第2項)。
4.誤り。
普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の執行機関相互の間にその権限につき疑義が生じたときは、これを調整するように努めなければならない(地方自治法第138条の3第3項)。
したがって、疑義が生じたからといって、自らその権限を行使することはできない。
5.誤り。
執行機関としての委員会及び委員は、議会において議決すべき事件について専決処分を行う権限を有していない。
専決処分とは?
専決処分とは、本来議会の権限に属する事項について、ある一定の要件を満たす場合に、長が代わって行うことである。
その内容は、大きく分けて任意代理的専決処分と法定代理的専決処分がある。
任意代理的専決処分は、普通地方公共団体の議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものへの専決処分である(地方自治法第180条1項)。
法定代理的専決処分は、議会が成立しないとき、第113条ただし書(定足数に満たない場合でも会議を開ける例外規定)においてなお会議を開くことができないとき、特に緊急を要するとき、議会が議決すべき事件を議決しないときにおける専決処分である(地方自治法第179条1項)。
なお、平成24年改正によって、副知事又は副市町村長の選任する際の議会の同意については、専決処分できない旨が追記されている(地方自治法第179条1項ただし書)。
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