行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成23年55問

一般知識

○:3.ア・ウ・エ


問55 情報公開法(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)及び行政機関個人情報保護法(行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律)に関する次のア~オの記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア、行政機関個人情報保護法の保有個人情報が記録されている「行政文書」は、情報公開法のそれと同じ概念である。
イ、各地方公共団体は、情報公開法の直接適用を受ける一方で、個人情報保護については個別に条例を定めて対応している。
ウ、情報公開法にも行政機関個人情報保護法にも、開示請求に対する存否応答拒否の制度が存在する。
エ、情報公開法及び行政機関個人情報保護法との関連で、開示決定等に関する不服申立てを調査審議する機関として、情報公開・個人情報保護審査会が設置されている。
オ、情報公開法にも行政機関個人情報保護法にも、偽りその他不正の手段により、開示決定に基づく情報開示を受けた者を過料に処する旨の定めが存在する。

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

☓:1.ア・オ

☓:2.ア・イ・エ

○:3.ア・ウ・エ

☓:4.イ・ウ・エ

☓:5.エ・オ

解説

ア.正しい。
情報公開法において「行政文書」とは、行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているものをいう。ただし、不特定多数の者に販売することを目的として発行されるものや特定歴史公文書等一定のものは除かれる(情報公開法第2条2項)。
そして、行政機関個人情報法では、行政文書の定義を「情報公開法第2条2項に規定する行政文書をいう」としている(行政機関個人情報法第2条3項ただし書き)。
したがって、両法の「行政文書」は同じ概念である。
イ.誤り。
情報公開法及び行政機関個人情報保護法の適用を受ける行政機関は、国の行政機関である(情報公開法第2条1項、行政機関個人情報保護法第2条1項)。
そして、各地方公共団体では、個別に情報公開条例や個人情報保護条例などを定めて対応している。
ウ.正しい。
本肢の「開示請求に対する存否応答拒否の制度」とは、開示請求に対して、存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、その存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができるという制度である。
そして、両法では、それぞれ情報公開法第8条と行政機関個人情報第17条にて、存否応答拒否の規定を設けている。
エ.正しい。
情報公開法、行政機関個人情報保護法、独立行政法人情報公開法及び独立行政法人個人情報保護法に基づく諮問に応じ不服申立てについて調査審議するため、内閣府に、情報公開・個人情報保護審査会が置かれている(情報公開・個人情報保護審査会設置法第2条)。
オ.誤り。
行政機関個人情報保護法第57条では「偽りその他不正の手段により、開示決定に基づく保有個人情報の開示を受けた者は、十万円以下の過料に処する。」としているが、情報公開法ではこのような罰則規定は存在しない。
これは、情報公開法における開示請求できる者は「何人も」(情報公開法第3条)であり、また、開示請求書には、開示請求する理由などを書く必要がないため(情報公開法第4条1項参照)、罰則を与えるほどの不正開示は考えにくいからである。


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