解答 行政書士試験 平成18年19問
行政法 行政事件訴訟法
○:3.原処分ではなく裁決に対してのみ取消訴訟を認める旨の定めがある場合に、当該原処分を行う際には、その定めがある旨を教示しなければならない。
○:3.原処分ではなく裁決に対してのみ取消訴訟を認める旨の定めがある場合に、当該原処分を行う際には、その定めがある旨を教示しなければならない。
問19
平成16年改正により、行政事件訴訟法に設けられた教示制度の規定に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)
☓:1.行政事件訴訟法に教示の規定が設けられたことを契機として、行政不服審査法においても教示の規定が創設されることとなった。
☓:2.取消訴訟を提起することができる処分が口頭でされた場合に、相手方から書面による教示を求められたときは、書面で教示しなければならない。
○:3.原処分ではなく裁決に対してのみ取消訴訟を認める旨の定めがある場合に、当該原処分を行う際には、その定めがある旨を教示しなければならない。
☓:4.当該処分または裁決の相手方以外の利害関係人であっても、教示を求められた場合には、当該行政庁は教示をなすべき義務がある。
☓:5.誤った教示をした場合、または教示をしなかった場合についての救済措置の規定がおかれている。
解説
1.誤り。
行政事件訴訟法の教示制度は、以前からある行政不服審査法の教示制度(行政不服審査法第57条等)と揃える形で、平成16年改正で新設されたものである(行政事件訴訟法第46条)。
2.誤り。
行政手続法における行政指導の教示や行政不服審査法の教示では、教示を求めた場合に関しての教示義務を規定しているが(行政手続法第35条2項・3項、行政不服審査法第57条2項・3項)、行政事件訴訟法では、教示を求めた場合に関しては、規定をしておらず、処分を口頭でする場合、教示義務はない(行政事件訴訟法第46条1項)。
3.正しい。
行政庁は、法律に処分についての審査請求に対する裁決に対してのみ取消訴訟を提起することができる旨の定めがある場合において、当該処分をするときは、当該処分の相手方に対し、法律にその定めがある旨を書面で教示しなければならない。ただし、当該処分を口頭でする場合は、この限りでない(行政事件訴訟法第46条2項)。
4.誤り。
処分庁は、当該処分又は裁決の相手方に対してのみ、教示をなすべき義務があり、利害関係人に対してはその義務はない(行政事件訴訟法第46条1項、2項)。
なお、行政不服審査法では、相手方以外の利害関係人であっても、教示を求められた場合には、当該行政庁は教示をなすべき義務がある(行政不服審査法第57条2項・3項)。
5.誤り。
平成16年改正において、行政事件訴訟法第46条に設けられた教示制度では、誤った教示をした場合、または教示をしなかった場合の救済措置は規定されていない。
なお、本問は、問題柱文で平成16年改正に限定して問うているため、「誤り。」としてこのような解説となるが、従来から同法14条3項に、誤って審査請求できる旨を教示した場合の救済規定があることを踏まえると、やや違和感の残る問題ともいえようか。
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