解答 行政書士試験 平成18年32問
民法債権
○:4.四つ
○:4.四つ
問32 契約の履行期に関する次のア~オの記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。
ア、請負の報酬は、仕事の目的物の引渡しを要する場合でも、仕事の目的物の完成時に注文者が請負人に対して支払わなければならない。
イ、宅地や建物の賃貸借の賃料は、翌月分を毎月末までに賃借人は賃貸人に対して支払わなければならない。
ウ、売買目的物の引渡しについて期限があるときは、代金の支払についても同一の期限までに買主が売主に対してその代金を支払わなければならないものと推定される。
エ、報酬の合意がある場合には、委任の報酬は、受任者の請求があれば委任者がその前払をしなければならない。
オ、消費貸借については、返還時期の合意がないときには、貸主の請求があれば借主は直ちに返還しなければならない。
選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)
☓:1.一つ
☓:2.二つ
☓:3.三つ
○:4.四つ
☓:5.五つ
解説
ア.誤り。
報酬の支払いと目的物の引渡しは同時履行の関係に立つため、注文者は報酬を引渡し時に支払わなければならない(民法第633条)。
イ.誤り。
民法における動産、建物及び宅地の賃料の支払いについては、単に「毎月末」としているが(民法第614条)、この意味は当月分を毎月末までの後払いを意味すると解されている。
ウ.正しい。
売買の目的物の引渡しについて期限があるときは、代金の支払についても同一の期限を付したものと推定する(民法第573条)。
エ.誤り。
委任契約における報酬の支払い時期は、原則として委任事務の履行後である(民法第648条2項)。
なお、費用は前払いの請求が可能である(民法第649条)。
オ.誤り。
当事者が返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて返還の催告をすることができる(民法第591条1項)。
したがって、借主は相当の期間内に返還すればよく、「直ちに返還しなければならない。」わけではない。
なお、借主は、返還の催告がなかったとしても、いつでも返還をすることができる(民法第591条2項)。
この問題の成績
まだ、データがありません。