解答 行政書士試験 平成20年56問
一般知識
○:2.二つ
○:2.二つ
問56 情報セキュリティ技術に関する次のア~オの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
ア、電子署名とは、実社会の手書きサイン(署名)や押印を電子的に代用しようとする技術であって、作成名義の同一性(本人性)および内容の同一性(非改ざん性)を確認することができるものをいう。
イ、ファイアーウォールとは、「防火壁」を意味し、インターネットから送られるパケットを識別することを通じて、不正侵入やアタック等をリアルタイムで監視し、管理者に警告するシステムをいう。
ウ、バイオメトリクス認証とは、指紋、声紋、虹彩、静脈の血管形状パターンなど、個々人の生体固有の情報を用いて本人確認を行う方式をいい、出入国管理や金融の分野における利用が進められている。
エ、電子透かしとは、画像、映像、音声などのデジタル・データに、人間の知覚では判別できない特定の情報を埋め込む技術であって、著作権保護技術として用いられることが多い。
オ、侵入検知システムとは、セキュリティ対策用のソフトウェアの一つであり、外部と内部のネットワークを結ぶ箇所に導入することを通じて、データの出入口の段階で不正な攻撃を検知する。
選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)
☓:1.一つ
○:2.二つ
☓:3.三つ
☓:4.四つ
☓:5.五つ
解説
ア.正しい。
電子署名は、実社会の手書きサイン(署名)や押印を電子的に代用しようとする技術であり、公開鍵暗号方式を利用することで、本人性および非改ざん性を確認することができる(電子署名法第2条1項)。
イ.誤り。
ファイアーウォールとは、「防火壁」を意味し、外部と内部のネットワークを結ぶ箇所に導入することを通じて、データの出入口の段階で不正な攻撃を検知し、それを遮断して防御するというセキュリティ対策用のソフトウェアの一つである。
したがって、前半の「防火壁」を意味するという点は正しいが、後半は誤りである。
なお、後半の説明は、侵入検知システムについてである(肢オ参照)。
ウ.正しい。
バイオメトリクス認証とは、生体認証とも呼ばれ、指紋、声紋、虹彩、静脈の血管形状パターンなど、個々人の生体固有の身体的特徴による情報を用いて本人確認を行う方式をいい、「なりすまし」をしにくい認証方式であるため、出入国管理や民間の銀行が預金者の本人確認に使うなどさまざまな分野で利用が進んでいる。
エ.正しい。
電子透かしとは、画像、映像、音声などのデジタル・データに、特定の情報を埋め込む技術であって、著作権保護技術として用いられることが多い。
なお、電子透かしには知覚可能型と知覚困難型の2種類があるが、一般に電子透かしと言えば、後者の知覚困難型電子透かしのことを指すため、本肢は正しい。
オ.誤り。
侵入検知システム(IDS)とは、インターネットから送られるパケットを識別することを通じて、不正侵入やアタック等をリアルタイムで監視し、管理者に警告するシステムである。
本肢における「外部と内部のネットワークを結ぶ箇所に導入することを通じて、データの出入口の段階で不正な攻撃を」というのは、ファイアーウォールに該当するもので、侵入検知システムの説明としては誤っている。
なお、本肢の結語では「検知する」となっているが、ファイアーウォールは検知するだけにとどまらず、遮断し防御までするのが一般的であるため、本肢全体を厳密に考えると、ファイアーウォールの説明としても適切とはいえない。
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