行政書士過去問ドリル

解答 行政書士試験 平成20年9問

行政総論

○:4.(ア)誤  (イ)誤  ウ)正  (エ)誤


問9 各種の行政立法に関する次のア~エの記述について、その正誤の組合せを示している次の1~5のうち、正しいものはどれか。

ア、政令は、憲法73条6号に基づき、内閣総理大臣が制定するもので、閣議決定を経て成立し、天皇によって公布される。
イ、内閣府令は内閣府の長である内閣総理大臣が制定し、省令は各省大臣がその分担管理する行政事務について制定するが、複数の省にまたがる共管事項については、内閣府令の形式をとらなければならない。
ウ、国税庁、林野庁など、各省の外局として設置され、庁の名称を持つ組織の長である各庁長官は、その機関の所掌事務について、公示を必要とする場合においては、告示を発することができる。
エ、公正取引委員会、公害等調整委員会、中央労働委員会などの委員会は、庁と同様に外局の一種とされるが、合議体であるため、独自の規則制定権は与えられていない。

選択肢(解答ページでは、出題時の順番に戻ります)

☓:1.(ア)正  (イ)誤  ウ)正  (エ)誤

☓:2.(ア)誤  (イ)正  ウ)誤  (エ)正

☓:3.(ア)正  (イ)誤  ウ)正  (エ)正

○:4.(ア)誤  (イ)誤  ウ)正  (エ)誤

☓:5.(ア)正  (イ)誤  ウ)誤  (エ)正

解説

ア.誤り。
内閣は、この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定する(憲法第73条6号本文)。
したがって、政令を制定するのは内閣であって、内閣総理大臣ではない。
なお、閣議決定を経て成立し(内閣法第4条)、天皇が公布する(憲法第7条1号)という点は正しい。
イ.誤り。
内閣府令は内閣府の長である内閣総理大臣が制定し(内閣府設置法第7条3項) 、省令は各省大臣がその分担管理する行政事務について制定する (国家行政組織法第12条1項)という点は正しい。 しかし、複数の省にまたがる共管事項については、内閣府令の形式をとるのではなく、これらの主任の大臣が共同し、共同省令(共管省令)として制定する。
例えば、景観行政団体及び景観計画に関する省令は、農林水産省、国土交通省及び環境省の共同省令にあたる。
なお、府と省の共同省令も可能であり、これを「府令・省令」と呼び、その例として、7府省が共同している中小企業協同組合法施行規則などがある。
ウ.正しい。
省は、内閣の統轄の下に行政事務をつかさどる機関として設置され、委員会及び庁は、省にその外局として設置されており (国家行政組織法第3条3項)、国税庁は財務省の外局として設置されている庁で、林野庁は農林水産省の外局として設置されている庁である (国家行政組織法別表第1)。
また、各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、公示を必要とする場合においては、告示を発することができる(国家行政組織法第14条1項)。
なお、告示とは、国や地方公共団体などの公の機関が、その意思決定や事実等の必要な事項を一般に公に知らせるその行為又は形式をいい、一般に国の機関の告示は、官報に掲載する方法で、地方公共団体の機関の告示は、その地方公共団体の公報に掲載する方法によって行われる。
エ.誤り。
内閣府及び省には、その外局として、委員会及び庁を置くことができる(内閣府設置法第49条1項、国家行政組織法第3条3項)。
そして、公正取引委員会は内閣府の外局、公害等調整委員会は総務省の外局、中央労働委員会は厚生労働省の外局である (内閣府設置法第64条、国家行政組織法別表第1)。
また、各委員会及び各庁の長官は、別に法律の定めるところにより、政令及び省令以外の規則その他の特別の命令を自ら発することができる(国家行政組織法第13条1項)。
したがって、前半は正しいが、「独自の規則制定権は与えられていない。」という点が誤りである。


この問題の成績

  • まだ、データがありません。


  • 試験過去問題の使い方

    平成30年までの行政書士試験問題の過去問を掲載しています。

    問題の解答ボタンの順番が、毎回ランダムで移動するので正解番号を覚えてしまうことを防止できます

    過去問ドリル使い方

    法令、一般知識のほか、法令につては(基礎法学、憲法<総論、人権、統治、財政>、行政法<行政手続法行政指導、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法>、民法<総則、物件、担保物件、債権>、商法、会社法、)などジャンルから選択するか、試験出題年度を選択してください。

    問題文章の後に選択肢が表示されるので、文章をタッチして解答してください

    解答画面では、過去6ヶ月間の解答について、履歴を表示するとともに、ユーザー全体の正解率を表示します。


    過去問を使った学習のヒント

    行政書士試験の本番時間は、3時間(180分) 法令46問、一般知識14問の合計60問が出題されます。

    1問あたり3分180秒で解答すれば間に合う計算になります。しかし、実際には、記述はもちろん、多肢選択、一般知識の文章読解問題は長い問題文を読んでいるだけで3分以上かかる場合もあるので180秒より速く解答する必要があります

    重要!毎日三時間用意する

    1問あたり100秒で解く(おおよそ半分の時間で一周できます)

    じゃあ残った時間は何をするのか?→解答を見る前に必ず見直すようにしてください。(回答時に自信がある問題、ない問題の目印をつけておくなど)


    過去問ドリルに取り組む前に

    一通りテキストを読み込んでから取り組みましょう。

    どの年度でもいいので初回60問といて、94点未満以下の場合はもう一度テキストを読み込む作業に戻りましょう

    300点満点中の180点取れれば合格ですので、目安として94点以上であれば、本格的に過去問ドリルに取り組んでみてください。